裸のランチ Naked Lanch

 映 画
邦 題

裸のランチ

原題

Naked Lanch  

ジャンル

ファンタジー

監督

デビット・クローネンバーグ

脚本

デビット・クローネンバーグ

撮影

ピーター・サスチスキー

国・年度

英、加 1991- 116

ソース

【受賞】
ニューヨーク映画批評家協会・監督、脚本賞、ロンドン批評家協会・監督、脚本賞受賞

その昔、新宿には、キーヨ「渚」「DIG」「PONY」など個性的なジャズ喫茶があちこちに沢山あり、そこには、確実にビート運動の流れが息づいていた・・・。ジャズ喫茶ではなかったが、そのさいたるものは三越裏側にあった風月堂だろう。ここには、今各界で活躍している、時代の先駆けのような人たちが綺羅星のようにいた。その、カリスマ的存在だったビート詩人W・バロウズの有名な小説「裸のランチ」をD・クローネンバーグが映画化した話題作。原作は筋らしい筋がなく、映画化は絶対無理だといわれていた作品に、クローネンバーグが敢然と挑戦しバロウズの半生を織り込んでなんとも見事にやっつけてしまった。「ザ・フライ」「戦慄の絆」などのスリラー映画で確実な地位を気づいたクローネンバーグ・ワールド作品の最高峰なのだ!また、何がいいかといったら映画音楽を、「ジャズ来たるべきもの」などで知られ、近年は自己のグループ<プライムタイム>で、日本にも幾度となくやってきた、巨匠オーネット・コールマンが担当しているのも無条件にこの作品を、マイ・フェイバリット・キャビネットに入れてしまうのだ。それにしても、あのタイプ・ライター、クラーク・ノヴァ一台欲しいな!
【解説】
ウィリアム・バロウズとデヴィッド・クローネンバーグの共謀!20世紀最大の禁断の文学、ついに映画化! 物語は53年のニューヨーク。主役はで害虫駆除員をしているウィリアム・リー。彼は妻の頭上にのせたグラスを銃で撃ち落とす<ウィリアム・テルごっこ>で、誤って妻ジョーンを射殺!麻薬の力に導かれ<インターゾーン>へと逃げ込んだ。多様な国籍の奇怪な人々がうごめき、巨大な麻薬工場が営まれているこの不思議な街で、リーは得体の知れない”陰謀”に取り巻かれる。そして彼は妻に瓜ふたつの女と出逢い、快楽のうずに溺れていくのだった。/パンフレットより
【配役】
害虫駆除員ビル・リー・・・
ピーター・ウェラー/ジョアン・フロスト、ジョアン・リー・・・ジュディ・デイビス/トム・フロスト・・・イアン・ホルム/医師ベンウェイ・・・ロイ・シャイダー/ハンク・・・ニコラス・キャンベル/ジュリアン・サンズ/ロバート・A・シルバーマン

 音 楽
音楽監督

ハワード・ショア

主題曲・邦題

裸のランチ

主題曲・原題

Naked Lanch

ジャンル

JAZZ

作曲

オーネット・コールマン

サントラ

Naked Lanch

ソース

CD    /LP

オリジナルサウンドトラック
●「
Naked Lanch
パーソネル
オーネット・コールマン(as)/パール・フィリップス(b)/ィナード・コールマン(ds)trio /ロンドン交響楽団/ハワード・ショア(comp) 
1. Naked Lunch
/2. Hauser And O'Brien/3. Bugpowder/4. Mugwumps/5. Centipede/6. Black Meat, The/7. Simpatico 8.Misterioso/9. Fadela's Coven/10. Interzone Suite/11. William Tell/12. Mujahaddin/13. Intersong/14. Dr. Benway/15. Clark Nova Dies/16. Ballad/17. Joan/18. Cloquet's Parrots/19. Midnight Sunrise/20. Nothing Is True; Everything Is Permitted/21. Welcome To Annexia/22. Writeman 

オーネット・コールマンは、1992年7月日本公開に合わせて音楽監督のハワード・ショアとともに来日。6月19日・20日と東京パーンにて「ナイト・アット・インターゾーン」withハワード・ショアの名で演奏公演した。

 小説
邦 題

裸のランチ   

原題

Naked Lanch   

ジャンル

自伝的小説

作者

ウィリアム・バロウズ

訳者

鮎川信夫

出版年度

1959-

出版社

河出書房新社 

関係書 「クローネンバーグとバロウズ・裸のランチ」1992
映画メイキング・ブック 制作現場徹底レポート/写真満載 シルヴァバーグ編   ワイズ出版 ¥2,500

 ビート詩人で小説家、ビジュアルアートの制作や映画出演など、晩年まで多彩な活動を続けたウィリアム・バロウズも、先年に亡くなったアレン・ギンズバーグに続き、1997年8月4日心不全のため米カンザス州ローレンスの病院で死んでしまった。享年83歳、あれほどのジャンキーがこの歳まで生きるとは誰も思わなかったろうだった。
1914年生アメリカ人作家。成り上がりの金持ちの息子として生まれる。青年時代には麻薬中毒(ジャンキー)で定職にもつかず世界を放浪しながらせこい小説も書いていたが、デビュー作「ジャンキー」で、麻薬中毒者であることを公表して高い評価を受け世間を騒がした。その後も、麻薬禍からは逃れられなくパーティーの席上で、ウィリアム・テルごっこと称して妻を射殺し逮捕拘置されてしまう。その後、まんまと脱獄し、ビート・ニック世代の詩人ギンズバーグやケルアックとつるみ、50年代のビート運動を先導。いつの日かアメリカン・ビート世代の大物的地位を占めるにいたった。この運動は、後のヒッピー、パンクなどの流れにも大きな影響を与えた。日本においても60年代新宿のフーテン達が、彼らの訳書を小脇に抱え、髪を肩まで伸ばし、庭で作ったせこいマリファナを吹かし、花柄のシャツとパンタロトンいったいでたちで駅前の芝生に寝ころび、ジャズ喫茶にとぐろを巻き、明治、大正生まれの古風な大人たちの目を白黒させていた。女房射殺事件を下敷きにして書かれたものが、この作品「裸のランチ」。麻薬や同性愛をテーマに書かれ、まだその時代は禁忌とされた暴力や性表現が裁判で問題になった。 


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