戦時下のベルリンにも、いわば敵性音楽であるジャズを愛し、粋にお洒落をし髪を伸ばした“スウィング・キッズ”と呼ばれた少年たちがい た--という史実に基づき、彼らが抗い難いナチズムの波にもまれながら、それぞれの“自由への挑戦”を試みる模様を描く作品。が、いかんせん、当時のドイツの雰囲気の再生に失敗しており、ベルリンがロンドンの町のようにも見える。それは何も登場人物たちがみな英語を喋るアメリカ映画であることや、時代考証の至らなさばかりに起因しない。問題は製作側の観客のレベルを低くみる態度にある。分かり易さのために、ナチズムにまで堕ちるドイツ精神の把握を怠っていて、それへの反逆としてジャズがあることが余り伝わらない。　抜粋
【解説】1939年、ナチスの暗雲が拡がるドイツでスウィング・ジャズの魅力にとりつかれたピーター、トーマス、アーヴィッドの3人は若者たちが軒並みナチス青少年団に入団する中で、スウィング・キッズと名乗り、独自のライフスタイルを築いていた。しかし時代の流れで、やがてピーターとトーマスは入団し、トーマスは更にナチスに傾倒していく。そんな時、アーヴィッドはナチスに抗議して死を選ぶ。若者たちの友情は引き裂かれたままで終わるのか…。時代に翻弄された青春の魂のドラマ。
【配役】
ロバート・ショーン・レナード、クリスチャン・ベイル、フランク・ホエーリー、バーバラ・ハーシー、トゥシュカ・バージェン、ジェイス・バルトーク、ケネス・ブラナー、デヴィッド・トム、ジュリア・ステンバーガー、ノア・ワイリー、ジェシカ・スティーヴンソン

　 　　　　　
ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトにあやかって“ジャンゴ”と呼ばれるギターの名手の少年が印象深い

サウンドトラック
●Swing Kids　Music From The Original Motion Picture Soundtrack　Hollywood　1993/3/5 　CD
1. Sing, Sing, Sing (With A Swing)、2. Nothing To Report、3. Shout And Feel It、4. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing) - Billy Banks、5. The Letter、6. Flat Foot Floogee - Benny Goodman、7. Arvid Beaten、8. Swingtime In The Rockies - Benny Goodman、9. Daphne、10. Training For Utopia、11. Life Goes To A Party/Jumpin' At The Woodside、12. Goodnight, My Love - Benny Goodman、13. Ashes、14. Bei Mir Bist Du Schon - Janis Siegel、15. The Bismarck、16. Swing Heil

スコア曲はジェームズ･ホーナー作曲、コーラスとストリングス による美しい楽曲「Nothing To Report」など数曲のオーケストラ・スコアと、ビッグ･バンドの演奏を収録。全 16曲53分収録。