第123回
8月場所の2
舟酔関
私の人生でこんなについてる事は無かったと思います。それだけに、次が恐いです。
夏草関の評にあったように自分でもこの句は、音が硬いと思っていました。
内容は、やはり子供の頃の台風到来日、雨戸を釘で打ったり、ろうそくや懐中電灯を用意する父を頼もしく感じた事を思い出したものです。
皆さんの中に、かっての父の姿があって選んで下さったのだと思います。今はどうなんでしょうか?
胸に手を合わせて皆様に感謝します。どうもありがとうございました。
お題は【台風】でございまぁぁぁ〜す!

優勝

優勝:10
得点:34
累積:512
合計:556
8点以上

●日曜生:ちょうど沢木耕太郎の「壇」を読み終わったところ。男とか父とか家族とか。うーん・・・と唸ってしまいます。堅めの言葉で面白い緊張感が出たと思います。
●夏草:語呂(韻律)があまりよろしくありませんが、詠んでいる内容、景色からすれば諧謔味が増してよろしいとも言えようか。
●黒子坊:家には「小型ながら猛烈な勢力」の台風が発生・・・ですね。
●かぼす:向田邦子の描く昭和な感じ。父が台風なのではなく、母の台風の動きが気になります。
●豆春:クールな娘の観察。父を頼む気持ちもありつつ、軽蔑して馬鹿にしている。思い出したように戻ってくる父の行動の間抜けぶりも可笑しい。そして娘は美しく若い…楽しく読ませていただきました。
●酔象:父と台風を行動で捉えたことが素晴らしい。家を離れている父の、主(あるじ)であることの無自覚な深層心理が、帰宅という行動を選(と)らせるのだろう。この父の行動を見ているのは娘の視線だろう、息子だとこうはいかない、男は高揚しているのだが、女は観察しているのだ。
●緑地:心細さ、恨めしさ、さみしさ、嬉しさ、詠むモノの心の中が台風のようです。
●阿美土:火宅の人を思い出しました。親父のあたふたさが浮かびますなあ。
●冬樹:第二室戸の続きから。当時工場勤務であった父は、母と三人の子供を家に閉じ込め、雨戸を板で補強し、外から釘まで打ち付けて工場の警戒に行ってしまいました。その折の心細かったこと・・。この句、私の父とはまるで反対のようにも思えますが、台風接近の緊迫感よりも、そこはかとないユーモアとペーソスがいい味を醸し出しています。
●利根ノ雫:流石は台風ですね。家族も一つにまとめてくれそうです。
●素松:ドラマが思い浮かぶ楽しい句でした。

●幻灯齋:気の弱い一昔前の作家のよう。台風にかこつけて愛人問題の関係改善でも図るのか?いろんな読み方が出来そうで面白い。
●珍念:なんだ、こっちの家族のことも心配なんだ。って、そんなことで安心すんな!
●小酔:独りで生きるなんて粋がっていても台風が来れば人恋しくなりますよね。願わくば十七文字にまとめて欲しいです。
●楽が鬼:川柳と俳句の剣が峰にすっくと立って・・・どうです読み取れますかと言っているような危うげなところが面白い

殊勲賞

殊勲賞:5
得点:19
累積:321
合計:345
5点以上

●土羊:創作の上手さを感じます。
●幻灯齋:台風とペリカンの取り合わせが素敵です。気圧の変化に気がついておぼつかない様子でばたばたしている景色が見えてきます。
●鷹目:鳥が騒ぎ気圧が下がり耳が変になる。近づく台風へのわくわく感。

●酔魚:檻の中のペリカンと台風の取り合わせが面白い。上 五にすこし違和感。
●日曜生:おっとりしたイメージのペリカン出すところがいいですね。野生が戻っておろおろと羽ばたく様子がいいです。「台風や」の方が、後が際立っていいかと思いますがいかがでしょう?
●めだか 不穏な気配を動物は敏感に受け止め、それを発見したのですね。
●小酔:檻のペリカンも台風の中を飛んでいる夢を見たのでしょうか。良く情景が目に浮かびます。
●緑地:もう一度台風に乗ったら家に帰れると思ってるんですね。

敢闘賞

敢闘賞:3
得点:13
累積:602
合計:618
8点以上

●楽が鬼:字面も重たく朗唱すると全体にリズム感が悪いが、下五の「太く濃く」と倒置したことによって、木々もそうだが南方の島に暴れ来る台風と格闘する住民たちの風貌もくっきりと映し出されるのが小気味いい
●三丁目:颱風と戦う樹木にポイントを絞った印象強い句です。掴むに説得力が感じられます。
●酔魚:島掴むという表現の意味がよくわからないのです が、木々が揺れている南の島の台風の景を思い出させてくれます。
●写汰:エネルギーに満ち溢れている感じがいいですね。島の木々の様子がさらに台風の力強さを感じさせます。
●阿美土:台風に負けるな!暴風雨に激しく抗う様子が表現されています。

敢闘賞

敢闘賞:3
得点:13
降格:225
合計:241
6点以上

●素松:初めて会う人を友と表現できる時間が綺麗でした。
●佳:色恋ではなくて友で詠まれたところが温かくていいですね。船出という言葉も素敵なものですね。きれいな句だと思います。
●めだか 袖スリあうも多少の縁、そんな出来事って忘れられませんね。
●珍念:旅の途中で災厄に遭うと、同じ目に遭った人と同志のような気持ちになって、新密度が高まるのはなぜでしょう。しかし、旅を終えた後は会わないほうがいい?

●黒子坊:旅先で船が欠航した時のことでしょうか。確かに旅先でたぶん会うことのない人に色々話てしまう不思議さってありますね。

○○○勝ち越し○○○

得点:9
累積:9
合計:18
5点以上

●利根ノ雫:雨戸の外が騒がしいのは悪魔のせいだったんですね
●天布留:上五で風の強さを感じ、風音が悪魔の声とは、凄みを感じます。
●はじめ:いろいろな風の音が聞こえてきました

得点:10
累積:57
合計:67
5点以上

●黒髪:大量の客が去った後、店主が一服する様子が目に 浮かびます。忙中閑ありの豊かさですね。
●小酔:中七、「台風一過」と安易な言葉に流れず「去りて一瞬」としたところが粋で感心しました。
●はじめ:やれやれ一息ですか
●豆春:台風が行ってしまった一瞬の静かな感じがでていると思いました。
●酔象:台風というのは不安と同時に、人の高揚感を高めてくれるものだから、去ってしまっての、この感覚はとてもよくわかる。だけど「一瞬」という語感が句を口にしてみてひっかかる。紙上机上の言葉のような気がしたのだ。

得点:8
累積:655
合計:663
6点以上

●舟酔:颱風裡にひっそりと十一階からは海が見えたのでしょうか?こうなると死もキレイですね。
●楽が鬼:台風真っ只中深夜と詠みとるとサスペンスフルな情景が浮かんでくる・・・それにしても天空の高層ビルから、日毎死体がが運ばれていると思うと現代は気味悪い
●豆春:11階は誰もいないのでしょうか? 今は亡き気高き婦人の取り合わせで、頭上に颱風のいる時間の怪しさと緊張感が出ていていいと思いました。

●日曜生:発想が面白い。主が女だからこそのドラマ性だと思います。なので、ルビふるのは好まないけど仕方ないです。「十一階」って意味深でリズムが面白くていいですね。

得点:7
累積:385
合計:392
5点以上

●冬樹:一読、私がこれまでに体験した最強の台風、昭和36年台風第18号、いわゆる第二室戸台風を思い起こしておりました。台風一過、中学校のグラウンドに昨日まで林立していた松の巨木が十数本、見事になぎ倒されていた光景は、今でも忘れることができません。この句「洗い」が少し弱いかもしれませんが、個人的な過去の記憶を鮮明に蘇らせて頂いたことで、あえて天に頂戴いたしました。
●三丁目:校庭の広さが、颱風一過の爽快感をよく表しています。
●めだか 砂地の校庭には落ち葉が散らばっていたりする様子が目に浮かびます。
●幻灯齋:普段でも校庭は特にゴミが落ちている訳でも汚れているわけでもありませんが、雨風によって校庭の土が生き返り空気が爽やかになった感じがします。

得点:6
累積:318
合計:324
5点以上

●阿美土:美しい、とても美しい。富士の清々しさが強く印象されました。
●天布留:実に大きく、さわやかな情景です
●佳:台風一過の洗われたような空気と静けさ、冨士が似合います。美しい青ですね。

得点:6
累積:510
合計:516
5点以上

●舟酔:大人は恋の予感、老人は死を待ち、子供は落ちた木の実、打ち上げられた貝殻、イメージがふくらみます
●黒子坊:う〜ん・・・と悩ましい句ではありますが、カジュアルに共感したので選ばせていただきます。
●かぼす:確かに、大人になってもそんなざわざわした気分になります。

得点:5
累積:64
合計:69
5点以上

●黒髪:「クルリ」に可愛らしさがあり、大きな視点が面 白いです。
●鷹目:軌道上から捉えた台風の画像を見て、まさに「目」だと思いました。古人の直感おそるべし。
●素松:視点の意外さが面白かったです。

● ●●大関負け越し●●●

● ●●関脇負け越し●●●

得点:5
降格:5+2
累積:615
合計:608
7点以上

●佳:スケールが大きさが気持ちいいです。「まなこ」という言葉が対比的で、より大きさが感じられました。
●夏草:繰り返される〈の〉字が渦巻き状の台風の姿に見えますが、それは作者の意図、意識してのことでしょうか。
●三丁目:颱風の眼に映る太平洋という大胆な発想が素晴らしいです。
●天布留:大きな自然界を思いました

得点:1
降格:5+6
累積:591
合計:580
7点以上

●かぼす:泥で舐めつくされた茶色の風景ですね。泥の舌が面白いです。


● ●●小結負け越し●●●

得点:5
降格:3+1
累積:841
合計:837
6点以上

●珍念:台風の後の大気の匂いは、独特ですね。なんというか、青臭いというか、塩臭いというか……。
●酔魚:いわゆる三段切れの句で、言わんとしていることも月並みなのですが、通読すると爽やかな秋の空が浮かび大変気持ちがよ いのでいただきました。
●はじめ:「晴天や」でなく「あっぱれの」にしてほしかったです
●黒髪:台風は空気の掃除屋さん。魑魅魍魎をおおさらいするの で台風一過の翌日は心地よいです。

●●●前頭以下負け越し●●●

得点:3
降格:1+2
累積:204
合計:201
5点以上

●夏草:下句の〈台風一過〉の語呂がよろしくありませんが、上と中の語彙の選択とリズミカルな運びはよろしいです。
●舟酔:四木が字余りにならないように「台風過」でもいいかなと思いましたが小気味よさにひかれました

得点:3
降格:2+2
累積:82
合計:78
5点以上

●酔象:台風が近づくと、不安と高揚とが入り交じった不思議な感覚がある。鳥が感じ取る予兆の高揚感と森の道という不安感、そこを行く人の心理をうまく詠んだ句だと思うのだ。●鷹目:不穏さを増していく森、帰りをいそぐ女性を想像しました。ゴアテックスなんか着てませんよ。

得点:3
降格:2+2
累積:379
合計:375
5点以上

●利根ノ雫:台風で閉じ込められた後、清々しい朝を迎えられそうです
●土羊:台風一過を待つ部屋の澱みを感じます。
●緑地:僕も閉じ込められたい。もちろん女性と。

得点:2
降格:2+3
累積:528
合計:523
5点以上

●写汰:ミステリアス。ドラマを感じさせる句ですね。
●土羊:現実か空想か、恨みの怖さと台風の怖さの対比に凄みを感じます。

得点:1
降格:3
累積:46
合計:43
4点以上

●冬樹:「塾」といえば、そろばん塾と書道塾にしか通ったことのない身ですが、まさかこの句、そろばん塾に行った訳ではないでしょうね。つくづく今のお子様は大変だと思います。あえて難を言うと「で」という助詞によって、句が説明的になり過ぎてしまったかもしれませんね。
♪楽が鬼:俳句に架かっているからこそ「地獄」。これはなんでもありの状況日記、説明、報告。詩心なく空虚。作句心を喚起せずにはいられない。

得点:1
降格:2+4
累積:215
合計:209
5点以上

●写汰:台風が来てほしいような、来てほしくないような、そんな気持ちを詠んだ句なのでしょうか?面白く観賞しました。

得点:0
降格:2+5
累積:230
合計:223
5点以上

得点:0
降格:2+5
累積:122
合計:115
5点以上

得点:0
降格:2+5
累積:331
合計:324
5点以上

得点:0
降格:1+5
累積:61
合計:55
5点以上

得点:0
降格:3
累積:-27
合計:-30
3点以上


無断休場
降格:10
累積:47
合計:37
5点以上


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