退会力士一覧

35

宮崎地鶏
17年

2.冷や汁に浮かんだ冷や奴に角はなし

3.総選挙茶番にかける打ち水なし


むくどり
17年

3..打ち水ははしゃぐ子らが水鉄砲

4.手花火を持ちたがる子ら母の背に


呂僧
17年

3.打ち水の敵潜みしやビルの底

4.十重二十重水面流るる花火かな

5.いらだちが指に伝わるくるみ割り

遠縁

10.ひりひりと風の巡るや山眠る


珍宝亭
17年

4.里帰り夜汽車の窓に遠花火
12.糸切れた凧さがしてる三が日

6.鰯売り声深まるや江戸の空

7.いずこなり六十年たてり里の秋


梅里道余
17年

1.大曲日傘のひとの影を踏む
4.懸想する君が手指に花火咲く
7.里の秋来し方望む遊子かな
10.耳もとの 吐息や熱し 山眠る

2.冷奴ニューヨーカーのやせ我慢
5.
満ち足りて空よりまっすぐくるみ落つ
8.ひととせの弔い祈り落ち葉焚き
11.神仏(ほとけ)出番じりじり大晦日

3.打水や森羅万象往来す
6.鰯雲私はひとり野原ゆく
9.
日向ぼこ漱石枕に千日夢
12.三が日真澄の空にトカトントン


春多
17年


7.小包はあて先違いか里の秋
10.*************

5.鬼胡桃閑の手遊び骨の音
8.**********
11.大晦日甘酒鐘突き観泉寺

6.土俵入り稽古でもなししこいわし
9.日向ぼこ仕舞い忘れた冷敷布

18年

12.三ヶ日明滅映える西新宿

13.冬灯に 亡き友思う1.17

14.


鮫小僧
17年

7.さとの秋は広瀬川原の芋煮鍋
10.*************

8.芋焼きし 焚き火の庭も いまはなし
11.鐘を待ち上着を羽織る大晦日

9.日曜は洗濯物の日向ぼこ

18年

12.三が日過ぎし朝餉の残り餅
15.窓の外湿る夜風と猫の恋

13.*************

14.押入に毛糸重なり春隣


香花
17年


10.*************

8.焚き火して心のどかに過し方想う
11.鐘音に心せかれる大晦日

9.幼子のごときまどろむ日向ぼこ

18年

12.飲んで寝て重み悔やまれ三ヶ日
15.安眠を醒まされせつなき猫の恋
18.人生も柳に風と行くならば

13.寒燈もなにやら侘びし凍てる道
16.光溢れのどかな時をぶうらんこ
19.我が思いふわりひらひら蝶のごと

14.重ね着を疎む思いや春となり
17.春増して心はずみし花の宴
20.


宵一

25.落雷の耳に残りし幼き日


閑鳥
17年

7.踏みしめて葉音に目覚め里の秋
10.眠る山仰ぎて誓うサクラサケ

8.過ぎ去りし日々と焚き火とウイスキー
11.*************

9.日向ぼこ猫のつもりが豚扱い

18年

18.キッチンに柳宗理のステンレス
21
.*************
24.雷の止むまで一刻ご休憩
27.阿佐ヶ谷で朝顔眺め浅利汁
30.*************
33.靴底の落ち葉に涙戻れぬ恋

19.てくてくと歩く野に舞うてふてふが
22.衣更え ボタン弾ける 昼餉哉
25.
*************
28.にらみ合い秋刀魚一匹はぐれ猫
31.蟋蟀のm7(マイナーセブン)に日が落ちる
34.音信不通

20.*************
23.初恋の味もいつしか冷酒かな
26.
*************
29.コスモスを掠めて急ぐ高尾ゆき
32.帝王が崖からのぞく冬の海


無名
18年

33.道すがら敷かれし落ち葉踏むまいと

34.納豆や想い断ちてし吾が唇

35.冬日向遠い昔の空を見た

19年

36.注連飾母の口癖冬課題
39.朧月窓枠の夜灯る部屋

37.寒烏霞みて白く永訣の朝

38.止まれ見よ右左右梅の顔


種無四等歌
17年


4.遠花火あの感性も杳(よう)として
7.酒男行李背負いし里の秋
10.*************


5.老女斯(か)く自慢じゃないが胡桃飯
8.焚き火して心のどかに偲ばるる
11.捧げたし全ては酒に大晦日

3.打ち水や掻き消したる身の焔
6.喰いたしもの無き親父へ干し鰯
9.*************

18年

12.発酵と糖化は果てぬ三箇日
15.テール灯過る二匹や猫の恋
18指翳し園児ら覗く雪柳
21.そば杖の蛞蝓(かつゆ)消えしや曇り空
24.雷鳴や冷静を終ぞ見かけず
27.終戦日語るに足るや無言館
30.独裁者夜長の酒の孤独さよ

13.*************
16.ぶらんこへ乗り出す陽の和らぎし
19.常しえの黄色愛しや蝶降りる
22.かけうどん衣更えかなあごに汗
25.髪結いし母は扇子手にカルピスを
28.間遠なり運動会や廃校舎
31.上々に種麹(もやし)破精込み秋高し

14.*************
17.春沁みて畳触りのこころよし
20.
五月晴れ肩も露わに浅間山
23.香をてらう蔵出し冷酒味わいし
26.うぐいすの水羊羹が好きなんけ
29.この月やどちらを照らそう花よ実よ


白鷺玄吾
17年

4.くちづけて瞳に映る花火消え
1.田の神もちょいとお昼寝里の秋
10.恋抱きふりむき見れば山眠る

5.胡桃置く詩人の酒場遠き夢
8.文(ふみ)くべる焚き火般若の目に涙
11.俺か町か溜め息ひとつ大晦日

3.水を打つ二の腕白き終(つひ)の恋
6.妻逝きて空なほ広し鰯干す
9.足絡め寝床のなかのひなたぼこ

18年

12.ランナーも光背に負う三が日
15.*************
18.
柳見あぐ喉の白さと笑う風
21.なめくじも噺家も亡く燗冷まし
24.昼闇を裂く雷や紅い河
27.朝顔の猛き緑やいくさ終ふ
30.柿染めの糸織る土曜メイル来ず
33.レンブラント光の刺子が上目酉の市

13.尾根を行く眼下寒灯吾に遠し
16
.ぶらんこのひとつ夕日に揺れ残り
19.白蝶の小袖惑いの庭に舞い
22.
*************
25.扇開く指も物憂し午後三時
28.一人娘「秋刀魚の味」のほろ苦く
31.シャッター街三つ目の路地秋高し
34.後朝の納豆混ぜて七ヶ月

14.米を研ぐやもめの手にも春隣
17.阿佐ヶ谷の春は好きかね明智君
20.目にまぶし白きスカート五月来る
23.
*************
26.UFOにちょっとにてるぞ水ようかん
29.コスモスの原に立つ君夢千里
32.
*************
35.頬赤し影も動かぬ冬日向

19年

36.若菜刻み渡れぬ闇と君や知る

37.都庁にでもせめて一矢と寒ガラス


山路紫琴
17年

4.遠花火薩摩切子に差し生けし
7..*************
10
.山眠るこぶし緩めし一周忌

5.*************
8.*************
11.大晦日擬音効果の姉の声

6.*************
9.*************

18年

12.三が日独りの雑煮亡母の味
15
.猫の恋乞えど届かぬ嗄れ哀歌
18.散りゆくを手を振り柳見送りて
21.なめくぢらここに居たぞの筆記体
24.雷一閃君が早鐘胸越しに
27.
*************
30.
明日には灰となる君添う夜長
33.延焼で二時間正座の落ち葉焚き

13.冬の灯や君が目映すみかん色
16.うららかやぶらんこゆらら風さらら
19.ぴくぴくと老犬の耳てふ遊ぶ
22.一新にやれ一心に衣更え
25.扇子風寝息愛しや膝枕
28.羽あらば飛んで行きたや運動会
31.天敵の便所蟋蟀いまいづこ
34.
*************

14.花寺や梅の香愛し(かなし)春隣
17.春雷よ照らしてくれるな頬しずく
20.疾風待ち五月の鯉や所在なく
23.おもいでも身ぬちをめぐる冷し酒
26.
*************
29.野路の月記憶を熾す杖となり
32.冬の海ヒトデ手裏剣嗤う波
35.帰去来や君に幸あれ除夜の鐘

19年

36.「おししい」の笑顔大吉若菜粥

37.寒鴉強きまなこのやじろべえ

38.深呼吸近いぞ近いぞ梅捜し


値札
17年


7
.吹く風も帰る場所あり里の秋
10.山眠る力足りなき痩せこだま


8.
縄文の顔に戻りし焚き火かな
11.
大年の卓球場に灯りかな

6.初回より攻撃長し鰯雲
9.
グローブの土手をたたいて日向ぼこ

18年

12.ポストまでいったりきたりの三ケ日
15.*************
18.
しょんぼりと店裏柳風を待つ
21.蛞蝓に息吹きかけて戦える
24. 雷鳴やびくともしない妻の肩
27.終戦日野坂昭如リハビリす
30.妻の愚痴聞いたふりして夜長し
33.*************

13.冬ともしはぐれし友を見つけたり
16.*************
19.春の蝶腰の高さについてくる
22.
連敗のチーム止めたし更衣
25.にこにこと扇子あおぐも小指なし
28.運動会子らはだらだらやってくる
31.秋高し鳥も天使も落ちてくる
34.
*************

14.春近し万引き逃げる商店街
17.
*************
20.人の情薄き男も五月かな
23.
こやつらは冷酒二合の相手かな
26.この十年いい訳ばかり水羊羹
29.
満月や四つに畳んで持ち帰る
32.返り花若死に多きコメデイアン
35.*************

19年

36.老後とは見届けること注連飾
39.関取も背を向け逃げし春一番

37.清掃車迎え撃つなり寒鴉

38.団塊の番組ばかり春はじめ


焚火古
17年


4.友と来てまた友と合い大花火
7.*************
10.山眠る夢魔にも白き夜の底


5.上り坂吐息の数の胡桃割る
8.*************
11.雪あられ闇夜に手繰る大晦日

3.ひららひらひららひらまち水を打つ
6.ことなかれ月夜に群れるいわしかな
9.ひぃふぅみぃ猫を蒲団にひなたぼこ

18年

12.なぞなぞをあつめて白し三ケ日
15.さざめきや大波小波猫の恋
18.月の河踊る輪舞曲の柳かな
21漂へど夢沈まずやなめくじり.
24.雷裂けて喪服女の睦む影
27.朝顔や枕に残る紅のくち
30.
飲めば死ぬ飲まずとも死ぬ夜長かな
33.過ちを落葉となりても繰返す

13.*************
16.ふららこやだきしめたとて月もなし
19.かぎりなくすきとほるあをてふのいき
22.吊革の血脈のあを衣更
25.眠る子の髪風に乗る扇かな
28.朝焼いて夜焼いてなを秋刀魚かな
31.スカンクの屁もおおっぴら秋高し
34.
*************

14.*************
17.恋風や月に梯子の宵の春
20.風くれば匂い聞こえる五月かな
23.濡縁の生娘の肌冷し酒
26.この客はいい人かもね水羊羹
29.黒き月女はいつも湯を沸かす
32.逢わざれば鴉を放て冬の海
35.*************

19年

36.*************
39.
うさぎ屋の猫あくびして春一番
42.ピカピカの背にランドセル満桜

37.暮六つや何処に帰る寒鴉
40.
鶯や納骨堂の坂の上

38.山門を額縁にして梅一本
41.春の夢熊も目醒める震度6


金太郎
19年


45.紫陽花や淡い水色くもり空
48.夕焼けの写真はいつも似て哀し
51.廃墟にて枯れた向日葵首折らず
54.檸檬手に馳せる想いと戒めと
57.
*************


46.ソーダ水泡の向こうにゆれる街
49.
*************
52.
夢覚めて音なき雨に蚯蚓鳴く
55.むずかしく考えるなと月笑う
58.*************

44.なま白い足指に赤夏めきて
47.*************
50.*************
53.久しぶり隣り合わせて芋を飲む
56.*************
59.何もなくエリントン聞くクリスマス


宝玉
19年


54.童描く炙り絵の筆檸檬滲む
57.片思い菊に聞けないもどかし


55.うっすらと色づく山に月明かり
58.老いる母贈る羽毛の蒲団かな

53.酔い醒めて湯気に優しさ芋の椀
56.山歩き拾う団栗子に土産
59.
*************

20年

60.子の年はマウス動かし福笑

61.介護終え久し振り酔う女正月

62.隙間風換気せずとも中毒無し


小紫
17年


4.初舞台打ち上げ花火の君がいて
7.母の皺復興の里秋深し
10.山眠りカエッテオイデと木精かな


5.終止符未明にきたりて胡桃割る
8.*************
11.大晦日香具師の足音大晦日

3.水をまく咲かないなんて言わないで
6.負け犬が知ったことかと鰯雲
9.野良猫の習い哀しき日向ぼこ

18年

12.挨拶もお国訛りの三が日
15.蜜月も今宵限りと猫の恋
18.
芽柳の水面にとけし萌黄色
21.なめくじやのらりくらりと手水鉢
24.
雷鳴を遠くに聞きて午睡哉
27.空仰ぐ老婆の影伸び終戦日
30.
西日さす母屋の軒の柿暖簾
33.クレヨンの色を重ねし枯れ落葉

13.無人駅人待ち顔に寒灯り
16.母の手の温もり恋し半仙戯
19.しもた屋にミシン踏む音蝶も舞う
22.今様はノーネクタイの衣更
25.古扇子や昭和の風を送りけり
28.思い出はひざの赤チン運動会
31.
風船を放す道化師秋高し
34.焼き鳥の焦げの苦さやひとり酒

14.逆上がりする子の影や春隣
17.樹の下の屍体も浮かれる春の宵
20.皐月の天母に送りし白い花
23.老兵の散りゆく際や冷やし酒
26.少年の夢はなに色水ようかん
29.廃屋や朽ちし土台の秋桜
32.秘め事のひとつやふたつ帰り花
35.
路地裏に蝋石のあと冬日向

19年

36.人を乞ふ過疎の鎮守の注連飾り
39.ペダル漕ぐ補助輪の父子に春一番
42.人の世もかくあるべきと散る桜
45.朽ち果てし藁葺き屋根に緑さす
48.夕焼けをそっと見守る母子地蔵
51.玉音に向日葵高く敬礼し
54.
*************
57.人並みを幸せと思ひ冬支度

37.枯れてなほ孤高を保ち寒鴉
40.幾年の女の業ありひいなかな
43.山菜の灰汁の苦さやみどりの日
46.ゆびきりのやくそくはじけてソーダ水
49.過ぎし日の幻影いざなう夜店の灯
52.
*************
55.*************
58.老犬に足並みそろへ暮早し

38.浅き春引き出し重し古箪笥
41.花の下(もと)百鬼夜行の春の夢
44.少年の犬歯光りて夏兆す
47.跡取りの無き里揺らし青田波
50.水浴びるチアリーダーの瞳になみだ
53.*************
56.カギっ子の団栗一つ探しをり
59.世間などどうでもいいと竈猫

20年

60.国旗振る駅舎の跡地に福寿草
63.
けものみち細く残して雪解ける
66.ひとり身の鍋よりすする蜆汁
69.
手を合わすタトゥーの娘あり桜桃忌
72.暗唱の無尽の島に蛍舞う

61.かっぽう着紐を緩めし女正月
64.豆腐屋のラッパ間延びし日永かな
67.遠足の列の乱れし帰り道
70.脈々と女三代らっきょう漬
73.
.*************

62.短針を少し戻して冬籠
65.幼き日母の背で見た風ぐるま
68.
停留所ひとつ乗り越す春の昼
74..*************


金太郎
19年


45.紫陽花や淡い水色くもり空
48.夕焼けの写真はいつも似て哀し
51.廃墟にて枯れた向日葵首折らず
54.檸檬手に馳せる想いと戒めと
57.
*************


46.ソーダ水泡の向こうにゆれる街
49.
*************
52.
夢覚めて音なき雨に蚯蚓鳴く
55.むずかしく考えるなと月笑う
58.*************

44.なま白い足指に赤夏めきて
47.*************
50.*************
53.久しぶり隣り合わせて芋を飲む
56.*************
59.何もなくエリントン聞くクリスマス
71.帰宅待つ濡れたポストとカタツムリ

20年

72.人目避け寄り添う夜の金魚売り
75.無花果よどこにでもいる美少女よ
78.新米の尊さ噛みて暮れゆけり
81.
*************

73.海月浮く光と影のエンドロール
76.配さえ呼んでいるのか登高へ
79.Gジャンのポケットに飴秋深し
82.嚔して心あたりをふと思う

74.炎天下ハチ公前に立ちつくし
77.秋雨のぽつぽつだけの午前4時
80.
*************
83.年忘れ自転車夜をかっとばす


与作
17年


4.
遠花火いいだしかねて指をさし
7.*************
10.月光につつまれわれと眠る山


5.*************
8.遊び子の家路につきや焚き火跡
11.大晦日三毒けせぬわれがおり

3.打ち水をはじいてすぐる連呼かな
6.*************
9.*************

18年

12.三ヶ日蘇りたり三毒が
15.梅の香にひかれて来たか猫の恋
18.しなやかを連れてきたぞと柳萌ゆ
21.蛞蝓に訓えたくない塩梅か
24.里山を一気に流して遠雷か
27.朝顔が空を見上げる終戦日
30.*************
33.雨露に土塊となる落ち葉かな

13.君と行く赤提灯よ冬の灯よ
16.春風にブランコのせて子等二人
19.*************
22.脳なしのかわらぬ我も衣がえ
25.大の字の顔にかぶせる扇かな
28.明かり夜に一人食する秋刀魚かな
31.*************
34.納豆に引き寄せらるる朝げ哉

14.*************
17.ほろ酔いが頬にしみいる春の雨
20.
五月晴れ肩も露わに浅間山
23.冷酒の沁みる五十となりにけり
26.水羊羹上戸等どもは一歩引き
29.沁みいるは月下に独り酌すとき
32.*************
35.教会の窓に降りたる冬日哉

19年

36.座り込む我を見上げる若菜かな
39.山の端に添い寝している朧月
42.夜桜の春にしなんとさそいけり
45.新緑を浴びて佇む木陰かな
48.夕焼けに熔けゆく里の日暮れかな
51.
風鈴の縁に座りて宵を待つ
54.流れ星祈る者あるしじまか
57.
野のものも軒に干されて冬支度

37.白き野に落墨のごとき寒鴉
40.幼子の門出眺むるひいなかな
43.山里を揚げ食したしみどりの日
46.裸子に曳かれ浸かれる岩湯かな
49.梅干の種噛み締める朝餉かな
52.田を眺む案山子眺むる鴉かな
55.影が友酌み交わしたる月夜なり
58.新妻にはたかれている干蒲団 

38.温燗に梅一輪を浮かべひき
41.現し身が弧蝶となりし春の夢
44.雑草やもくもくもくと夏兆す
47.木曽路行く遊子をつつむ梅雨かな
50.水浴びを日に三度目の夕べかな
53.もてあまし石焼芋の熱さかな
56.父の背の大きく見えたる夜なべかな
59.
せわしさを眺めておりし竈猫

20年

60.陽をもらう福寿草の温き哉
63.
雪解けの落つる雫に時を聞く
66.宿酔に聖杯となる蜆汁
69.桜桃忌罪のアントをさがしおり
72.指蛍言い出しかねて二人哉
75.
*************
78.*************
81.寒稽古白い吐息に包まれて

61.*************
64.縁側に素足投げ出す日永かな
67.囀りに肩から這い出す安息日
70.ふるさとのヒマラヤ想い辣韮食み
73.弁当にバテのりこえよプチトマト
76.
*************
79.秋深し人の声する夕べかな
82.
.*************

62.まどろみをヒュウと持ち去る隙間風
65.風車肩の向こうに見えし頃
68.注ぐ湯に新茶の香せり三保の松原
71.静かさに寄り添うてみる夏木立
74.
*************
77.*************
80.そろそろと狸いでます月夜かな
83.
.*************

21年

84.*************
87.*************

85.*************
88.*************

86.*************
89.*************


値札
17年


7
.吹く風も帰る場所あり里の秋
10.山眠る力足りなき痩せこだま


8.
縄文の顔に戻りし焚き火かな
11.
大年の卓球場に灯りかな

6.初回より攻撃長し鰯雲
9.
グローブの土手をたたいて日向ぼこ

18年

12.ポストまでいったりきたりの三ケ日
15.*************
18.
しょんぼりと店裏柳風を待つ
21.蛞蝓に息吹きかけて戦える
24. 雷鳴やびくともしない妻の肩
27.終戦日野坂昭如リハビリす
30.妻の愚痴聞いたふりして夜長し
33.*************

13.冬ともしはぐれし友を見つけたり
16.*************
19.春の蝶腰の高さについてくる
22.
連敗のチーム止めたし更衣
25.にこにこと扇子あおぐも小指なし
28.運動会子らはだらだらやってくる
31.秋高し鳥も天使も落ちてくる
34.
*************

14.春近し万引き逃げる商店街
17.
*************
20.人の情薄き男も五月かな
23.
こやつらは冷酒二合の相手かな
26.この十年いい訳ばかり水羊羹
29.
満月や四つに畳んで持ち帰る
32.返り花若死に多きコメデイアン
35.*************

19年

36.老後とは見届けること注連飾
39.関取も背を向け逃げし春一番

37.清掃車迎え撃つなり寒鴉

38.団塊の番組ばかり春はじめ

20年

66.大男小さく座り蜆汁
69.桜桃忌お風呂の中で溺れてみる
72.留守番の顔つきになる古金魚
75.いちじくや借家の庭のかざりもの
78.新米を母に届けてひとばなし
81.寒稽古足裏見せて倒れゆく

67.遠足の三日前から酔う子おり
70.ひと理屈聞いたふりしてラッキョ噛む
73.クラゲ見て離婚とどまる男あり(参考句)
76.この村のすべての女猫じゃらし
79.紙相撲ひっくり返り秋深し
82.雪女山からずうっとついてくる

65.新茶飲む仮面夫婦のひと休み
71.夏木立キリンの首のすべり台
74.耳穴から脳ミソ垂れる炎天下
77.
秋雨や出雲最後の登り窯
80.焼かれてもへっちゃら山のタヌキかな
83.一茶の句三つ覚えて年忘れ

21年

84.もののけと人もいっしょの初湯かな

85.*************

86*************

87.*************

88.*************

89.*************


木古里
19年

45.折り持ちし紫陽花葉裏に洟光り
48.休日に夕焼け前に頬を染め
51.風鈴を提げるうなじの白さかな
54.
流星を映す水なく田も終わり
57.菊一つ残れどなおも香強し

46.水弾く裸子を見つめる妻の肌
49.蓋を開け梅干二つ給料日
52.案山子さえ欠伸涙の里の午後
55.朝月を浴びて肩組む千鳥足
58.短日を口実にして店くぐり

47.*************
50.水浴びや浴びたは水か麦酒かな
53.芋焙り待つ間の本に炭にされ
56.団栗の葉を打つ音に大欠伸
59.鶏の悲しき眼に降誕祭

20年

60.陽を待ちて先走りかな福寿草
63.*************
66.赤っ鼻色気も無しに春愁う
69.
*************
72.蛍揺れ闇がぐにゃりと蠢きて
75.秋暑し人気なき浜一人行き
78.
*************
81.*************

61.女正月昼寝を起こす鬼も無く
64.庭照らす光に緑山笑う
67.
遠足や帰り忘れて今があり
70.*************
73.漂えど沈まぬ海月内に飼い
76.
*************
78.*************
82.
くさめして忘れたことを忘れけり

62.*************
65.赤っ鼻色気も無しに春愁う
68.
春昼や日陰しみじみ軒の下
71.夏木立煙草の煙我独り
74.
*************
77.*************
80.*************
83.飲み干した盃の辛さや年忘れ

21年

84.*************

85.*************

86.向かい風顔をしかめて懐手


風花
17年

4.思い人去りて黒夜に花火あがる
7.里の秋猫背の肩に愁い降る
10.つつましく寝化粧をして眠る山

5.胡桃手にぬくめうれしい便り待つ
8.
焚き火消えクセのある文字燃え残り
11.
気のせいか夜気に品あり大晦日

6.*************
9.
日向ぼこ数百グラム軽くなり

18年

12.甘やかな怠惰の温み三ヶ日
15.恋成りて責任もなく去るや猫
18.歳月を揺らして軽し柳かな
21.なめくじよ宙返りせよそのくらい
24.雷鳴のピークは過ぎてややさびし
27.敗戦日もの思う人も減りゆき
30.我が愚行かぞえあぐるや長き夜
33.
ドアあける束の間に入る落ち葉かな

13.冬灯り道行く異性(ひと)と目が合いて
16.ふらここや地面を蹴りて空の中
19.はしゃぐ蝶美しき身に変わり得て
22.ひと日づつ確かに過ぎて更衣
25.ゆらりともせぬ空(くう)を切る扇子かな
28.ほろにがき淋しさを喰ふ秋刀魚喰ふ
31. 故(ゆえ)もなく思いあふるる天高し
34.焼鳥屋とべない男にぎわいて

14.春隣あくびする空ひろがりぬ
17.春来たり春にまみれん春なれば
20.愁いある身にはまぶしき五月かな
23.冷酒をゴボリと呑まん詮なき日
26.こともなく過ぎ行く暮らし水ようかん
29.月知らず雲ゆうゆうと流れゆく
32.身の裡(うち)の闇すさまじく狂い咲く
35.冬日向淋しい色もあたたまり

19年

36.注連飾りふだんの町の空気変え
39.目の前の遠き世界よ朧月
42. 閉じる目に遠い記憶の桜舞い
45.新緑や好きなことして生きゆかん
48.夕焼けに染まるひとりを感じをり
51.風鈴の音耳にして歩をゆるめ
54.
*************
57.淋しさは通すべからず冬用意

37.啼ききそう声もやせをり寒鴉
40.これしきの不幸を嗤い鶯鳴く
43.色彩を呼吸する街みどりの日
46.ソーダ水透かして君を見しことも
49.夜店の灯知らず知らずに取り込まれ
52.茫々と月日は流れ蚯蚓鳴く
55.
ふりかえりふりかえり月みてかえり
58.暮れやすし命かげるや病む身には

38.寂しさもほどけてゆくか浅き春
41.春の夢たどりてをれば日が暮れて
44.夏めきて影と日向のくっきりと
47.失恋のじわりと沁みる梅雨の空
50.*************
53.*************
56.*************
59.
生くるとは眠ることなり竃猫

20年

60.福笑い愉快に笑う我がいて
63.雪とけて雪の記憶もふたしかに
66.*************
69.初夏に見上げる山のなき東京
72.生きひそめわが胸にすむほうたるよ
75.病む友の横顔を見る秋あつし
78.
*************
81.虎落笛我が胸内ちをみすかされ

61.独楽まわり/幾重もの/渦巻きとなり
64.
*************
67.*************
70.*************
73.芒洋とりんかくを消す海月かな
76.友逝くて歩く道の端ねこじゃらし
79.
*************
82.死を集めなほも淋しき雪女郎

62.人と人あいだをぬけるすきま風
65.曲り角ふと出会いけり春愁い
68.
*************
71.
雨粒の隙間にをりし蝸牛
74.炎天にひとりの影の濃かりけり
77.秋雨に街もこころもやせてゆき
80.
*************
83.年忘れ吹きくる風に身をまかせ

21年

84.はずむ音 少しおくれて 手鞠唄
87.長閑なる世界を遠くながめおり

85.鬼となり恋せしことも寒椿
88.春の雪ただ舞うばかり舞うばかり

86.*************
89.退会


片手間
20年

78.炊飯器新米の湯気顔浸す
81.
亡き人の声に振り向き虎落笛

79.銀杏を拾う老婆の背に朝日
82.くさめして憎くきと恋し思い出し

77.秋雨や葉の下の虫恋謳う(参考句)
80.車窓みてタイを直す子七五三
83.後悔の日付けに指あて古暦

21年

84.窓開けて朝日混ぜたる白初湯
87.ハルと聞きほうばり涙フキノトウ

85.一面の苔に輪を描き寒椿
88.蝌蚪の池そっと長枝五線引き

86.*************
89.蓬採り父としぶしぶ臼を出し


笑い猫

17年


10.
眠る山空高く舞う用心棒

8.指触る(ふ)もうたかたの恋焚き火の輪
11.鐘聞けど煩悩渦巻く大晦日 

9.消しゴムの妻とふたりでひなたぼこ

18年

12.円山で芸者と過ごした三ヶ日
15.真夜中のジャングルスポット猫の恋
18.
黄昏てごめんあそばせ柳橋
21.漬物の蓋を開けたらなめくじ王
24.落雷に恐れ戦慄く誘拐犯
27.古団地越境朝顔蔓伸ばし
30.窓外に熟れた柿ありG病棟
33.夢小路商人(あきんど)走る三の酉

13.目覚めれば寒灯に浮かぶ高尾駅
16.ブランコで天使の恍惚イナバウアー
19.蝶々舞うキャベツ畑の青臭さ
22.
*************
25.半玉のうなじの香り扇子風
28.きらり光る正宗の如し初秋刀魚
31.秋高し遠のく幻影競馬御殿
34.江戸の朝納豆売り吹く目覚めの喇叭

14.春隣娘の髪に椿油 
17.トルネード甦る春野茂英雄
20.白のミニ五月の風を吸い込んで
23.旅の宿冷や酒一献亡き友よ
26モネ帰り上野の森で水羊羹
29.月の庭障子にゆれる甘い影
32.君去りしねずみ色した冬の海
35.仕込みっ娘晴れて舞妓に除夜の鐘

19年

36.夜逃げしてもぬけの殻の注連飾り
39.
*************
42.*************
45.朝ぼらけ紫陽花の青古都染めて
48.蟻の穴爆竹仕掛けたテロリスト
51.風鈴の鳴り止まぬ夜妻消える
54.
*************
57.冬支度置いてけぼりのカーディガン

37.*************
40.*************
43.選句参加
46.マイアミで夜明けのソーダ青い性
49.無一文夜店の前で泣き崩れる
52.嵐の夜叫びささやく案山子かな
55.*************
58.陽の匂いここに幸あり干し蒲団

38.*************
41.*************
44.選句参加
47.長梅雨の晴れ間つかまえ満艦飾
50.南国の白浜貸切り西瓜割る
53.村八分捲土重来鬼相撲
56.*************
59.*************

20年

60.廃れるもむべなるかな嗚呼福笑い
63.雪解けて挽馬いななく北の大地
66.はしご酒味覚リセットしじみ汁
69.名にしおう黒髪ゆらす初夏の風
72.蛍舞い河童網打つ魔都の夜
75.土砂降りの残暑の夜に水没す
78.卵割り新米炊ける瞬間(とき)を待つ
81.虎落笛タイガーマスクはやって来ない

61.嵐呼ぶ泣き虫小僧の暴れ独楽
64.笑う山塀の中にも花一輪
67.遠足は駄菓子じゃない菓子買えたのだ
70.振り向くならっきょう工場鼻が曲がる
73.光る海海月群がる水死体
76.縁側にてブロンド女を猫じゃらし
79.
*************
82.*************

62.隙間風吹き荒ぶまま東名帰路
65.ひとめぼれ車窓の君に春愁う
68.真っ白き富士の嶺眺め新茶かな
71.
*************
74.炎天下塩吹くTシャツ北斎画
77.林檎剥く紅いマニキュア白い指
80.七五三いつも必ず買う馬券
83.流転せよ荒野に捨てた古暦

21年

84.初湯にてお猿と遭遇お先です
87.蕗の薹路傍でみつけた宝物
90.風光る大空覆う米軍機
93.
*************

85.路地裏に寒椿散る別れの日
88.春の雪PK決戦熱く燃ゆ
91.夏近しパーカー脱ぎ捨て腰に巻く
94.*************

86.眠り鮫美女に流し目海遊館
89.
*************
92.街自慢藤のトンネル野良がゆく
95.
退会


孤風
18年


27.絽の裾に朝顔夜も咲き誇り
30.主亡き庭にたわわと柿実り
33.掏摸もまたかっ込み願う酉の市

25..蛍狩り扇の先の緋の髪の
28.猫跨ぐ秋刀魚の骨が三尾分
31.ホイホイでコオロギの鳴く侘び住まい
34.吐く息と納豆の糸白く伸び

26.異国には翡翠とまごう水羊羹
29.孤なりとも飄々とした月冴える
32.戯れの温もりだけで狂い咲き
35.冬日向犬寝る猫寝る我も寝る

19年

36.若菜摘む君も野も無し一人旅
39.老猫がのたり伸びして春一番
42.夜桜を小瓶に詰めて二度三度
45.滴落ち木洩れ日纏う山紫陽花
48.焼けた土熱くはないかはぐれ蟻
51.向日葵もめげてうつむく残暑かな
54.この空を掃き清めたは流星か
57.腹回り2センチ増えたは冬支度

37.うらぶれて見上げる梢寒鴉鳴く
40.雛祭願い複雑飾るパパ
43.コーヒーはホットかアイスかみどりの日
46.お使いの駄賃は嬉しソーダ水
49.梅干す日ザルも並びも母譲り
52.蚯蚓鳴く夜がすいっと長くなり
55.寂しさに見上げる夜空孤月冴え
58.僅かなる昼間晴れ間に蒲団干し

38.たおやかな風過ぎゆきて五分の梅
41.強東風に軒覚めしたと梯子酒
44.
夏めくや「始めました」の札を書き
47.青田風トボトボ歩く背中押し
50.西瓜割り無手勝流で地球割る
53.ふる里は東京なれど芋煮会
56.団栗や転がす猫の毛も替わり
59.世の不思議封じ込めたる竈猫

20年

60.泣き顔は決して作れぬ福笑い
63.試験終え花待つ間息を吐き
66.青空に白を突き刺す木蓮花
69.黄長靴メロディ奏でる桜桃忌
72.ポニョポニョとせがまれ狙う赤金魚
75.
老犬の伏して動かぬ残暑かな
78.新米は水少なめと母の文字
81.びゅうびゅうと背を丸めさす虎落笛

61.勝ち独楽を握る赤頬誇らしげ
64.一日中空を見ていた日永かな
67.
*************
70.
辣韮剥くおんなの爪をクンと嗅ぎ
73.ふわふわと漂う我も海の月
76.登高やバカと煙とスキットル
79.銀杏見上げる幹の影に入る
82.一年の垢をくさめと吹き飛ばし

62.冬ごもり甘栗蜜柑落花生
65.
*************
68.新茶汲む茶湯器いつしかくすみおり
71.かたつむり雨のふる日は良い天気
74.炎天の吹き出す汗に影滲む
77.秋雨にしとど濡れつつ待つウフフ
80.
玉砂利に浅い足跡七五三
83.古暦裏のリストを消し終わり

21年

84.モウモウと新しき湯気初湯かな
87.空き腹の気にならぬ空長閑なり
90.老木の洞から若葉風光る
93.水菓子をつたうシズルや薄暑かな
96.*************
99.*************

85.寒椿今年は雪は積もらずか
88.春の雪見上げる子犬大あくび
91.透けブラに目を奪われて夏近し
94.
*************
97.*************
100.*************

86.ぶらり出る懐手には何もなし
89.三月はハラハライライラワクワクし
92.ベランダの鍾馗はいずこ鯉幟
95.
*************
98.*************
101.退会


小石川
17年

9.刻々といざりよろしき日向ぼこ

10.ボタ拾い夕餉焚く闇山眠る

11.威勢声夜半までなり大晦日

18年

12.静かなり路地さらさらと三が日
15.駆け巡る野に浮き雲や猫の恋
18.
風添えて萌黄遊ばす老い柳
21.
なめくじら土壁螺鈿の技ありや
25.雷神の寝ぼけあくびにそぞろかな
27.
陽を収めあさがおの種弾け飛び
30.ひうひうと風笛囃し闇夜長
33.拍子木や千秋楽から三の酉

13.熱き頬なお火照りしか寒燈下
16.ぶらんこやいくつの峠越えざりし
19.蝶放つ指さららして空仰ぐ
22.褪せし色風に漱ぎて衣更え
25.舞扇地表五尺の冷気かな
28.
紺碧を見据えし眼なり初秋刀魚
31.日暮れ指温めしチチロ野に帰す
34.焼き雀いま飛び去りし姿喰み

14.指さらすほころび縫いし春隣
17.茹で笊に瞬く春萌すめかぶかな
20.澄みきりて雨陽風降る乱五月
23.残照や絵描き心か冷や酒か
26.凪を喰む水羊羹もゆらゆらと
29.明けの空コスモス溶けて七変化
32.木彫り師の鉈刃割り裂く冬の海
35.冬ひなた五暦重ねし皺の蔭

19年

36.西蔵に白き風あり注連揺らす
39.陽溜まりに身寄せ一服春一番
42.萌黄なす裾野に潔し山桜
45匂い風甘くみどりの雫冷え
48.羽かけら噛み曳き摺りしはぐれ蟻
51.
*************
54.茶けた本手に取り隙間に檸檬置
57.角番を乗り切る士見つ冬支度

37.色紙の名花弁の如くみな恵方
40.雛日終え二対残せし貝合わせ
43.淡し濃し緑藻の日なり海の底
46.撮る瞬に裸足で視しか背姿を
49.麦ストロざらめ梅干し銭の汗
52.一閃の闇裂く光案山子影
55.木洩れ月さのよいよいと杜踊る
58.暮れ早し夕餉万華か擦り硝子

36.溶けゆくは喜怒哀楽や早春賦
41.東風の宵問わず語りて独り座し
44.外出着夏めく妻のまぶしけり
47.はてさてやまた立ち尽くし梅雨眺む
50.水浴びしあの日の空も澄みてあり
53.芋の香やゆんまりと散る白き雲
56.夜なべ果て銀河鉄道発車ベル
59.山門も温し木彫りのかまど猫

20年

60.夜目覚めや窓に映りし福笑い
63.雪解けて去年の続き見え隠れ
66.白れんや花舟ゆらゆら風を漕ぎ
69.古樹ありて葉つや艶めく初夏なりき
72.孤蛍も酔うたかほっほう闇の道
75.散りぢりと残暑旅立つ風を聞く
78.新米や籾殻ひとつ掬い受け
81.四十五度湯掛けで茹だる寒稽古

61.独楽割りや木裂く瞬ぞ綱熱し
64.うたた寝て朝かと慌つ日永かな
67.
さえずりやからの荷籠に放り込む
70.ぽつぽつり雨の歯音からっきょ噛む
73.焼けし道もぎ食い歩む青トマト
76.登高の土産を添えて旬届き
79.独り出で抱かれ帰す邦秋深し
82.ぐ行くと冷え込み知らす雪女郎

62.ひなた往く人見て背のぶ冬ごもり
65.
春愁やめだかの顔に泡ひとつ
68.春昼の夢ぞ遙かや緑冷え
71.蜘蛛糸の端に雲あり夏木立
74.竿とウキ震え炎天裏がえり
77.遙かなり読み書き飲みしりんご箱
80.冴えし宵狸饅頭や腹膨る
83.はて何時ぞ繰りつつ替える古暦

21年

84.白明夜手鞠梢に突き刺さり
87.
温かろと触れて冷たきふきのとう
90.切り株を割り出づ艶芽風光る
93.唐松の香を染め柄に薄暑着る
96.噴水の裏や日替わり都市名所
99.平成21年8月28日 逝去 享年62歳

85.花と葉と和したり雨の寒椿
88.まどろみの夢と添い舞う春の雪
91.野菜皿歯ごたえ増せり夏近し
94.どくだみと墨書対なす書棚かな
97.回峰や吾は這い擦り登る山

86.*************
89.葉か枝か鋏迷わす三月ぞ
92.のぼり垂れさえずりのみぞ風休み
95.彩噛めばいさぎよしとすさくらんぼ
98.*************

得点:0
降格:2+5
累積:230
合計:225

得点:4
降格:2+1
累積:225
合計:222

届出休場
累積:222
合計:

休場

休場

休場

前頭10枚目

前頭13枚目

前頭14枚目

前頭14枚目


蠱冬
19年

45.新緑やとんび輪を描く里の空
48.焼けは少し寂しいと君が言ふ
51.空青し向日葵の丘風渡る
54.わが願い叶へてみせよ流れ星
57.
菜を洗う母の手白し冬支度

46.谷あいに裸の子らの声こだま 
49.梅干の皺みて浮かぶ母のかお
52.過ぎ去りし熱を惜しむか蚯蚓鳴く
55.道連れは月とほろ酔い影法師
58.蒲団干し日の匂いに顔埋めけり

47.*************
50.*************
53.芋焼きし甘き煙にふらふらと
56.夜なべして書いた恋文破る朝
59.降誕祭俄かサンタも善き人に

20年

60.福寿草春はここにと一人咲く
63.あな嬉し試験なき身の大人なり
66.*************
69.初夏の午後木陰選んで歩きたり
72.ひらひらと金魚に似たり夜の乙女
75.残暑にて最後のそうめん茹でる昼
78.新米や馬も私も肥ゆるなり
81.
*************

61.独楽勝負子はそこそこに親が燃え
64.*************
67.競い合うさえずり野越え森を越え
70.辣韮の皮剥き剥きて空を知る
73.もぎたてのトマト太陽丸かじり
76.猫じゃらし亡き猫偲び一振りす
79.銀杏を見つけてうれし茶碗蒸し
82.
*************

62.餅蜜柑炬燵でミステリ冬ごもり
65.*************
68.春昼の水面に映る雲の夢
71.城ありてここが都か蝸牛
74.生ビール淑女の口に白きヒゲ
77.赤耳の兎りんごを食べかねて
80.
*************
83.月もまた凍えているか年忘れ

21年

84.極楽は初湯の湯気の中にあり
87.*************
90.雑草さえ耀き見ゆる風ひかる
93.*************
96.河童忌や冷やし胡瓜を丸かじり
99.*************
102.荒地こそわが王国なり草の花
105.*************

85.寒椿若武者の如咲き散りし
88.水温み蝌蚪舞い泳ぐカンタービレ
91.霞食うわけにもいかず飯を炊く
94.鳴き守宮明日は雨かと問うてみる
97.夕闇に色艶添える百日紅
100.秋日背に家路を急ぐ影長し
103.父の背の小さきを知る敬老日
106.*************

86.懐手して伸吟のふりをする
89三月の第二ボタンの思い出よ
92.満開の藤紫の滝となる
95.頬寄せて何を笑うかサクランボ
98.灼くる日はアスファルトさえ憎々し
101.赤絨毯ここはカンヌか紅葉踏む
104.何事も無きぞめでたし鰤を焼く
107.今年こそ会いたし友に賀状書く

22年

108.*************
111.*************

109.*************
112.*************

110.*************
108.退会


雷雀
21年


93.水蒸気割れて筍飯に笑み
96.噴水の飛沫届くか届かぬか
99.ひぐらしを耳に飯焚く暮れ六つ
102.そっときてまたそっとゆく赤とんぼ
105.我喰えと湯豆腐どものおしくらべ

91.捉えども徒手空拳の遠霞
94.宵窓へ忍ぶ守宮の影法師
97
.猫が爪研がず仰ぎし百日紅
100.寝転べば空一面の曼珠沙華
103.まな板の音心地よく南瓜かな
106.我喰えと湯豆腐どものおしくらべ

92.ほちほちと藤伝う雨かぞえ暮れ
95.爪弾けば紅き鈴鳴る桜の実
98.丑三つを千鳥の歩み風涼し
101.
*************
104.
天命を遂げて別れの柿落葉
107.吉はなくとて凶もなく斧仕舞

22年

108.すごろくへ己の歩み重ねおり
111.
*************
114.退会

109.あんこうの解かれるさまへ手を合わせ
112.
*************

110.*************
113.*************


零下
21年

90.ベランダに雀隠れのプランター
93.カレーの香満つる家路や夕薄暑
96.七色のしぶき噴水よりの笑み
99.ひぐらしや孤独の果ての刹那主義
102.一人旅肩に出迎え赤とんぼ
105.
*************

91.うたたねの夢を包みし春霞
94.壁をゆく小さき手相守宮かな
97.百日紅散りゆくまでは傍にいて
100.夢覚めて古酒揺り起こす午前二時
103.栗をむく仕草そっくり母むすめ
106.
*************

92.藤の下モノクロの君とわに笑み
95.割れし実は鳥のデザートさくらんぼ
98.涼しさや知床吹くは青き風
101.川面ゆく旅の途中の紅葉かな
104.
*************
107.転機来る予感抱きつ年の暮

22年

108.うなされて見て見ぬふりや夢はじめ
111.午後さえも知らぬ若さや薄氷
114.花疲れ注目の的空きベンチ
118.退会

109.曾祖母の遺作となりしちゃんちゃんこ
112.しゃぼん玉見上げる皆の目は細く
115.
.*************

110.路地の闇照らす四つ眼や猫の恋
113.踏青や道なき道を今は行く
116.*************


草千里
19

36.頬冷えて訪ね行く戸にしめ飾り
39.朧夜の湿りに似たり君の息
42.
薄闇の青にたたずむ桜あり
45.新緑も乾いて哀れ坂の上
48.空破れ夕焼け遠く頬に雨
51.朽ちてなお伸びた背筋の向日葵や
54.日に照りしたわわの檸檬瀬戸の道
57.************

37.空ありき呼び声遠く寒烏
40.大童チャリ漕ぐ傍の鶯や
43.亀鳴きて夢のしじまに引き込まれ
46.ソーダ水味思い出しまた一口
49.夜店散り子らが塵よけ銭さがし
52.
実りありへの字もゆるむ案山子かな
55.月見えてテント芝居の醍醐味よ
59.*************

38.ひとりきり味噌汁のなか浅き春
41.春の夢まどろむ我に始業
44.夏めきて肩二の腕のまぶしけり
47.梅雨空に隠れてふたり傘の中
50.
水浴びや路地にまたがる虹の橋
53.外赤茶割れば黄金蒸かし芋
56.*************
59.薄目開け待ちわび眠るクリスマス

20年

60.耳澄まし吐(つ)く息たよる福笑い
63.
************
66.************
69.
.************
72.プカプカリ金魚泡吐きわれ煙
75.いちじくのぐしゃと潰れし役所前
78.
*************
81.*************

61.目覚めるもまた一眠り女正月
64.笑う山薄紅さして待つわたし
67.遠足や樹々の息吹きを持ち帰り
70.
*************
73.*************
76.*************
79.*************
82.*************

62.すきま風猫の帰るを知らせおり
65.姿なき鳴き声聞きて春愁う
68.
************
71.*************
74.炎天を空より覗く里帰り
77.泣きぬれて秋雨の中赤い花
80.
*************
83.古暦手を止め見いる今年かな

21年

84.歌詞忘れ鼻歌響く初湯かな
87.*************
90.二階窓隣の庭の雀隠れ
93.珈琲をアイスで頼む薄暑かな
96.噴水や虹かかる午後深呼吸
99.その日暮し蜩鳴くをなんと聞く
102.*************
105.*************

85.寒椿白き手に咲くぽたり血や
88.
蝌蚪が尾をちぎりし宵の満つる月
91.夕霞宵の欲望煽りしか
94.朝ぼらけどくだみ花の白きこと
97.学び舎に赤花白花さるすべり
100.秋めきて故郷を念ふ夕べかな
103.四畳半駆らる激情秋うらら
106.*************

86.懐手隠さず仕舞う三十路かな
89.ほろ苦し蓬もち噛み萌ゆ慕情
92.光射す墨汁踊る幟旗
95.眠れずに食らう桜桃蜜の味
98.頬灼けてメガホン響く外野席
101.五条橋弁慶の背に燃ゆ紅葉
104.三日月夜偶さか独り酉の市
107.かあちゃんの味付け恋し年の暮れ

22年

108.思い出し作るお節の味おぼろ
111.指先で摘むも溶けし薄氷
114.花疲れ照らすネオンの帰り道
117.*************
120.************
123.************
126.南瓜の種ぽろぽろと一人分

109.大欠伸鮟鱇闇を吸込みし
112.*************
115.*************
118.昼顔や束の間の熱冷めし夜
121.************
124.************
127.************

110.湯をくぐり映える緑や春若布
113.踏青や切立ての髪揺らす風
116.
*************
119.夏野原土冷んやりと掴んだ手
122.************
125.触れし手に胸高鳴るや十六夜
128.退会


かぼす
20年


75.いちじくやカサリと頁めくる音
78.十二年新米炊いて仲直り
81.朝夕に虎落笛聴く旅の宿


76.
登高や盃ごとの色を干す
79.参道は銀杏たちの墓所なるや
82.雪女戦意失い闇となる

74.炎天や托鉢の鉦響きをり
77.秋霖の内にこもるや七郎(どぶ)鼠(ねずみ)
80
.風鳴りて狸の骨の細きこと
83.古暦この身の皮も脱ぎ捨てる

21年

84.初風呂や芯の一本熱くする
87.ふきのとうあと出しなしのグーと決め
90.少年と鳥のマラソン風光る
93.
隣家より爪切る音の薄暑かな
96.噴水のぐるりはひとの指定席
99.
ひぐらしや鐘つき堂の影動く
102.草の花見え隠れする猫の足
105.白鳥やしわがれ声の女と遇ふ

85.情熱の重さに耐えて寒椿
88.淡雪や今日の鐘の音やはらかく
91.夏近し葛切り客の国訛り
94.貧血のやもりは白きしみとなる
97.百日紅男の意志は海を飛ぶ
100.鈴虫の一匹をりし夜の隅
103.銀幕のスターも去りぬ柳散る
106.白鳥やしわがれ声の女と遇ふ

86.梅の香や鮫と語らう翁あり
89.
ふる里は蓬が門の奥にあり
92.藤の花長電話する姿なく
95.ふりしきる雨のかはらや業平忌
98.座布団の折られしままや夕涼し
101.竈馬韓人たちの無言の炎
104.珈琲に映る混沌冬の空
107.大枝に揺れているよな冬の月

22年

108.陽だまりにまき散らされし初雀
111.ひとひらのうすらい揺れし午後の湖
114.花疲れ降りやむまでのあと少し
117.重力に勢いそがれ滝の道
120.ぼうふらの鳴かない夕べ雨の音
123.校庭を洗い颱風一過かな
126.からっぽの南瓜の笑ひ夜を待つ
129
.腹くくる十一月のしっぽかな

109.仏蘭西語学ぶ背中やちゃんちゃんこ
112.つんつくとつくし目覚める陽の中に
115.春燈や傘の往き交ふ石畳
118.昼顔のおしゃべりつづく風通り
121.さりさりと浴衣まといし細き肩
124.休暇明け皆それぞれのピアス持つ
127.鰯雲とどまるもの皆幻
130.独り居の自由気儘の湯ざめかな

110.からからの冬のからだのかたさかな
113.あをきを踏む解放感のその中に
116.帯長し畳に遊ぶ鮎の群れ
119.あをくさき夏野を閉じる一歩かな
122.大文字の大のようなる蛸炊ける
125.
十六夜や父の血を引く薬指
128.おでんやにテディベア居り外は雨
131.*************

23年

132.双六のとんとん拍子や猫笑
135.引力の少しくゆるむ春の風邪
138.ひとひらの遊びを終えて花つもる
141.カッコウにあはせて渡る五条坂
144.片陰のしろくろまだら伸びたまま
147.どっどうと風鳴る銀河すこし揺れ
150.薄揺れ散髪帰りの口笛

133.きしきしと雪踏む音や朝まだき
136.ふる里を記憶に留め春の雁
139.抱かれて空泣きする子や春疾風
142.風抜けて香り揺らすやラベンダー
145.川沿ひの車をさがすすずみかな
148.
屁ひり虫無口な鬼を背負ひけり
151.狛犬の愁思まといて雨の中

134.胸の痛みやり過ごして寒明ける
137.ひとひらの遊びを終えて花つもる
140.老いらくの恋ですし卯の花くたし
143.ゆきのした薄暗がりの舞踏会
146.サングラス外す右手のエレガンス
149.先週の小さな収穫唐辛子
152.立冬や四角く流るゝ青き窓


素松
18年


18.翔ける声風吹く柳裸足の子
21.飲み屋前蛞蝓渇き雨を待つ
24.雨の香雷の音響き滲む肌
27.空見上げ強く伸びゆく朝顔や
30.カウンター虹色模様長き夜
33.頬つたう風が奏でる落ち葉道


19.舞う蝶や瞬き一つ空に消え
22.誘う手を彼どうするや衣更
25.舞う扇色香漂う白美人
28.一人酒煙上がりて焦げ秋刀魚
31.とめどなく飲み空見揚げ天高し
34.一パック混ぜる納豆味気なく

17.白き春背に手を振られ一人旅
20.五月雲時乗せ過ぎし胸傷む
23.ちびちびと冷酒飲む父日の終わり
26.水羊羹舐める唇里の味
29.空近く顔覗かせる丸き月
32.見上げる都孤独も見せず狂い花
35.去るスター冬日も照らす花道や

19年

36.今日も飲み過ぎたときづき食う若菜
39.春一番のこるる君の笑顔きえ
42.散歩酒あてはなくとも桜あり
45.
新緑や学問の坂登りゆき
48.提灯の路地の夕焼け沈まずに
51.
絵日記に大きなひまわり一つ描き
54.若き者檸檬片手に何想う
57.棺の中黄色き菊も白く見え

37.寒鴉一瞥くれて影追ゆる
40.変われども雛見上ぐ顔変わりなき
43.背表紙をなぞって耽るみどりの日
46.注文はバーボンソーダと浪の音
49.夢の中何処にも行かず夜店人
52.山子おり恐き爺さん話しかけ
55.道しるべ寒き夜の月ビルに消え
58.
短日や西に一吠え野良の犬

38.浅き春白き模様を描く山
41.時計の音どこ行く風や春の夢
44.店じまい夏めく空はもう青く
47.下校路青田にならえ一直線
50.水浴びや僕をすくえた小さな手
53.芋に塩ナイター中継父の場所
56.薄き光夜なべ夫人の顔白き
59.
*************

20年

60.福笑い笑い声散りおかめ笑み
63.雪解けや自転車せがむ悪なき目
66.春かなし筆止まり置き汽車進む
69.
*************
72.寝苦しい夜の散歩に蛍おり
75.旅先の遅いバス待つ残暑かな
78.ダンボール届く新米重たくて素松
81.寒稽古膨らむ胸の清らかさ

61.*************
64.初めてのバス通学に山笑う
67.
*************
70.ただ速くただ進みゆく競い馬
73.駆け去りし汗をながす子トマト哉
76.
*************
79.
秋深し百一編のすいません
82.何処にいる嚔してみて母を待つ

62.飲み明かし赤ら顔うつ隙間風
65.春かなし筆止まり置き汽車進む
68.昨晩は煙の如く春の昼
71.夏木立二人静かに小休止
74.招く父冷えぬビールに母慌て
77.
*************
80.アルバムのぼやけた写真七五三
83.年忘れ今年は二人飲み語り

21年

84.熱すぎるくらいがいいか初湯哉
87..
*************
90.風光るレースのカーテン顔なでて
93..*************
96.噴水の下で生まれる物語
99.廃校に光を灯す踊り子哉
102.昼の道よろけた足下草の花
105.湯豆腐や土鍋に昆布あとは酒

85.獅子舞や派手なロッカー夜叫ぶ
88.春の雪傘もささずに歩く道
91.祖母の家霞深々登り道
94.庭の隅どくだみの群根は深く
97.百日紅見慣れた筈の通い道
100.
帰り道月までの距離短くて
103.酔っぱらい肩に銀杏を連れてきて
106.湯豆腐や土鍋に昆布あとは酒

86.サメの皮煮て食う父の顔覗き素松
89.三月の顔を変え行く通勤路
92.江戸に立ち幟見つめる田舎者
95.
サクランボ灰皿に種一つあり
98.ひっそりと灼ける墓前で親子酒
101.濃いお茶と紅葉の朱見て小休止
104.白い息灯りのもとへ帰る
107.焼鳥屋のぼる煙に鼻をあて

22年

108.お正月街の香りも薄まりて
111.薄氷踏まれぬうちに消えていき
114.花疲れ座席一列皆お辞儀
117.滝落ちて不動の如き流れあり
120.じめじめとぼうふら生きる庭のすみ
123.戸を叩く台風の夜に悪魔泣く
126.不器用な崩れたかぼちゃ侘び住まい
129.しんとした十一月の朝起きて

109.鮟鱇や深海の未知表す身
112.*************
115.春燈やほころぶ街の淡い色(参考)
118.昼顔や目覚ましもなく朝寝坊
121.母と姉浴衣広げて笑顔咲く
124.休暇明け朝の常連舞い戻り
127.鰯雲流れのさきに来る明日
130.*************

110.の夜や躍る心で酒を飲む
113.踏青や夜の酒場の一場面
116.鮎食べて田舎の川に帰ろかな
119.夏野に寝土の匂いと草の音
122.晩のあて父長々と蛸を食む
125.十六夜や人混み避けて煙草吸
128.よりそいておでんの世界しみしみて
131.暗い道寒い道好き流るる年

23年

132.一・二・三駒一歩ずつ双六や
135.小姑もやはらかき目の春の風邪
138.今年また花香りたつ散りてなお
141.郭公も飛び立つ時は叫ぶはず
144.湯気がたつ肥やしの香り瓜の花
147.サングラスうかがう瞳愛らしき
150.戻り道わたしと薄ざわめきて
153.ポケットに手袋ねじこむ子の笑顔

133.大都会便りにうつる雪もよう
136.声にのり流れきたきたしゃぼんだま
139.真っ白くはためくタオル風光る
142.ラベンダー君夢の中顔出して
145.朝すずむ早起き大家青ホース
148.屁こき虫侮りがたし父サリン
151.カウンター席二つ空け我秋思
154.息吐きて飛ぶ凍蝶を飛び立たせ

134.朝の道寝ぼけ眼や寒明ける
137.今年また花香りたつ散りてなお
140.安宿や卯の花腐し旅一人
143.別世界白き手はこぶアイスコーヒー
146.サングラスうかがう瞳愛らしき
149.唐辛子乾いた音なり鍋に落ち
152.半うつつ味噌汁の湯気冬が立つ (参考句)
155.
*************

24年

156.初夢や枕に願い事消えて
159.春の暁青のカーテンなお淡く

157.日脚伸ぶ仕事帰りの母みつけ
160.崖に立つ独活太くなり手をひろげ

158.子を抱いて歩く父の背空二月
161.水温む羽ばたく羽も地に降りて


酔魚
17年


4.花火消え一灯もなき黄泉の道
7.
里の秋一村あげて長寿なり
10.甲斐信濃煙りて遠く山眠る


5.
音たてて胡桃割るなり昼の酒
8.火を焚くや童となりて謡ふなり
11.大年のメトロ軋みて地の底へ

3.水を打つ墓の主は大悪党
6.
海の香や鰯一匹飯二膳
9.
うたた寝の夢は緋の色日向ぼこ

18年

12.三ガ日会ヒタイヒトナク大ザケノンダ
15.
恋猫の口惜しかるらん鼻の傷
18.墨東の川添柳のいまむかし
21.蛞蝓ひともひとりの夜半なりき
24.鳴神や横に小走り五人斬る
27.再読ス「俘虜記」八月十五日
30.アナーキズムさと呟き夜長の客帰る
33.二の酉や吉原(なか)の仔細は耳学問

13.老猫の水飲む音や寒灯下
16.ふらここや昔廓のありし街
19.蝶の羽根震へ無調のジャズ走る
22.
衣替へ家なき人の紙袋
25.ひとつだに扇子動かず大勝負
28.
秋刀魚には酒か飯かと問はれけり
31.秋高し尻向けて去る飛行船
34.清貧はわが意ならずも納豆汁

14.遠富士や春まぢかなる高架駅
17.生きる気も死ぬ気もなくて又の春
20.目を閉じて五月の蠅を愛ほしむ
23.冷酒や馬鹿もするなり自己主張
26.
客無口主苦虫水羊羹
29.月明や胸に狂気のかけら在り
32.冬の海煩悩凍てて砕け散る
35.例ふれば冬日の下の海の色

19年

36.若菜つむ祖母の躾のまま嫁ぎ
39.おぼろ月大事なひとの名も忘れ
42.花の下死にたくもあり死にたくもなし
45.新緑や登れど低き甲斐の山
48.齷齪と働くだけの蟻であり
51.
風鈴や出るに出られぬこの長屋
54.吾がために流れて消えし星一つ
57.菊に埋もれ居心地も良く棺の中

37.寒鴉呵呵大笑し飛び去りぬ 
40.雛しまふ母の背にはかに姥めきぬ
43.ひげ眼鏡ねこ背の君やみどりの日
46.焼け野原裸、裸足の餓鬼なりき
49.
小坊主が梅干す寺に泊(は)つるかな
52.酒くめば濁世の庭に蚯蚓なく
55.月満ちて永遠の命をもてあます
58.短日や半身で酒待つ立ち飲み屋

38.白一輪窓越しにあり梅見酒
41.
こち風や冷たき下駄の履きごこち
44.
掃苔を果たし谷中の穴子鮨
47.青田風しゃがみ煙草の田人かな
50.首タオル三途の川へ水浴びに
53.芋煮えて出羽の山なみ雲の中
56.
五稿目で誤植見つけし夜業かな 
59.降誕祭一夜奇蹟を夢想する

20年

60.福寿草たれがつけしかめでたき名
63.雪解けてものみな眩し今朝の街
66.ぷつぷつと夜半の蜆の不満かな
69.嫌いとは好きのことなり桜桃忌
72.蛍ひとつ善福寺川を渉りけり
75.秋暑しきみ仙丈の頂きへ
78.
庫裡に立つ父の笑顔や今年米
81.湯気の立つ裸身並みゐる寒稽古

61.ポケットに勝独楽一つ一人っ子
64.痒き背に孫の手さがす日永かな
67.囀りやゴム鉄砲を空に撃つ
70.競べ馬人の世にある勝と負け
73.囓られ破顔一笑大蕃茄
76.登高すもとより低き多摩の山
79.銀杏降るハイドンもれる奏楽堂
82.雪女郎つもりし話の二つ三つ

62.発禁の奇書枕頭に冬ごもり
65.風車まわるを拒むひとつあり
68.春昼や無思想にして無節操
71.
夏木立じっと立ってる笠智衆
74.独酌のぬるい麦酒や倫敦塔
77.*************
80.狐狸が来て盗み酒する山の寺
83.古暦余すは有馬記念のみ

21年

84.手毬のごとサッカーボールを操れり
87.現世(うつしよ)は夢の手枕のどかなり
90.雀隠し繁れる裏より登山道
93.新訳でチャンドラー読む薄暑かな
96.
河童忌や均一棚の句集買ふ
99.短足の連衆集ひて踊らんかな
102.赤とんぼ番ひて飛ぶや西目指し
105.************

85.紅は命の色ぞ寒椿
88.雪やコトコト煮ゆるポトフ鍋
91.夏近し少女投手は下手投げ
94.
*************
97.************
100.ジーンズに大穴小穴秋涼し
103.秋の夜半誰が口笛か革命歌
106.************

86.髭面の浦人鮫をぶったぎる
89.三月や我が鬱と飲む今宵酒
92.沿線に一瞬の白藤の花
95.さくらんぼおらが在所の小さき冨士
98.灼けし岩攀ればはるか甲斐信濃
101.竃馬なが咎なるやその姿
104.
冬に入る日記に一語晴と記す
107.年の瀬やむかし阿佐ヶ谷文士村

22年

108.襷かけ叔気の宿場駆け抜ける
111.海苔あぶるただ酔ふための酒なれど
114.川沿いの道の往き来や花疲れ
117.山雨の熄めば瀧音たかまれり
120.ぼうふらのぼの字のあたりの眼かな
123.颱風裡女主人(あるじ)の逝きし十一階
126.
南瓜よし南瓜の如き男よし
129.酒旗なびく十一月の風の中

109.水戸っぽの訛りすさまじ鮟鱇鍋
112.色といふ色を尽くしてしゃぼん玉 
115.春燈や獄死せしものみな若し
118.昼顔や廓のむかし知るごと
121.笑み浮かべ浴衣まといて棺の
124.
きみ子センセ小麦色して休暇明け
127.鰯雲墓に持ちゆく嘘ひとつ
130.汝が胸に汗ひと筋の湯冷めかな

110.恩師みな根の国にあり寒昴
113.踏青や野川渉りて深大寺
116.おとり鮎消へゆく魚影あはれなり
119
.古着屋ののアロハは緋色夏野原
122.浦風や吊られて揺れる蛸の列
125.十六夜や酒購ひ歩くことしばし
128.おでん鍋酔いの繰り言煮詰まれり
131.Oの字に口開け「第九」で年行かす

23年

132.双六や一つの願ひくりかへす
135.************
138.劫罰は神の意なりや梅真白
141.閑古鳥啼きて寂寞きわまれり
144.炎昼や天球ひそかに狂ひを
147.三千を攀りて銀河の中にいる
150.
姥捨つる山一面の芒ゆれ
153.手袋脱ぐ一,二,三,四,指四本

133.闇に降る雪や昭和の劇ならん
136.*************
139
.棄てられし余寒の街でありにけり
142.ラベンダー香りて蝦夷地に夜せまる
145.飲みごろに銘酒冷えたり夕涼み
148.尻からげ逃ぐるはをかし屁ひり虫
151.
秋傷や弁証法が落ちている
154.************

134..寒明けや掌にほとばしる水の量
137.劫罰は神の意なりや梅真白
140.駒仙丈 けぶりて 卯の花腐しかな
143.梅雨寒やずしりと重き膝の猫
146.台本とサングラス辺に棺の中
149.揺れている赤いペディキュア鷹の爪
152.滾りたる味噌汁うまし今朝の冬 
155.************

24年

156.遠く逝きし友も笑みゐる初枕
159.春暁や寝ぼけて眺むる訃報欄
162.
165.昨日より青深みたる若葉かな
168.初蝉や定期預金を解約に
171.
************
174
.************

157.UNIQLOのジャケット軽ろし日脚伸ぶ
160.独活剥かん背筋伸して刃研ぐ
163.
166.夏帽子立ち姿よし笠智衆
169.
************
172.
************
175.************

158.二ン月の軽き鬱もて風の中
161.ランナーの歩調正しく水温む
164.行く春やどこまで行くか神田川
167.奴も奴もギロチン送りだ巴里祭
170.
************
173.
************
176.************


写汰
21年


87.ふきのとう渋染む爪も灰となり
90.頑なが雀隠れに割られ笑み
93.鍋底の筍飯の焦げ食む夜
96.噴水をただ眺めをる午後三時
99.洗濯の終わるを告げるかなかなや
102.
ほうぼうに散りたる友や赤蜻蛉
105.天空のほつれ縫い往く白鳥や


88.新しき朝に灯るは春の雪
91.ヤッケ手に信号を待つ夏近し
94.何おもふ鳴き方知らぬ守宮の子
97.だだっ子の声背負い行く登山道
100.鬼の子と風遊びたる古梯子
103.天からと見まがうほどに木の実降る
106.天空のほつれ縫い往く白鳥や

86.じりじじり鮫寄るように夜来たり
89.身放てば咽返るほど蓬の香
92.
藤棚の朽ちたるに言うただいまと
95.つやつやとほおべたのごとさくらんぼ
98.傍らに眠る近さや涼し宵
101.目ざめれば我ふみつけるかまどうま
104.
綿虫の行き交う朝の紺深し
107.飲まぬ祖父酒を供えて年用意 

22年

108.お降りの真白を肩に歩きけり
111.ひとつ波きてまた海苔のさんざめく
114.流れゆく川かがやけり花疲れ
117.おののいて見あげる子らに滝しぶき
120.
ぼうふらや言い尽くしたる暇乞い
123.台風が過ぐ迄の友と船出待つ
126.嬰児の隣に南瓜鎮座せり
129ひとり身の十一月の旅じたく

109.鮟鱇や天噛みしだきつ骨となる
112.唇にほのにがき痕しゃぼんだま
115.春の灯に導かれ入る迷路かな
118.のびをして浜昼顔のひとつになる
121.背まるめ小さき浴衣母は縫う
124.暗色の馴染みの靴履く休暇明け
127.いわし雲まなこ細める猫一味
130.湯冷めして寄る背に聞く鼓動かな

110.吹く風や探梅行の道しるべ 
113.ざわざわと踊るスカート青き踏む  
116.鮎一尾差し出されたる銀の腹
119.郷愁の針振り切れる夏野原
122.
店前の女の小言蛸うだる
125.錠解きいざよふ月にさらす乳房
128.わけまへの卵の黄溶けるおでん皿
131.遠道もいとおしきかな年去る

23年

132.すごろくや駒搗ちあうも縁かな
135.旅宿の二段のベッドと春の風邪
138.小包の新聞ちぎる啄木忌
141.かっこうの声しか知らぬ小さき人
144.籐椅子やもたれつ寝入るいとこ同志
147.死者の名を呼べども呼べどもただ銀河
150.白髪抜くごとく摘みゆく花芒
153.水滲みた小さき手袋語りくる

133.彼の山の輪郭たどる根雪かな
136.たんぽぽを握りしめただ涙する
139.抱かれて空泣きする子や春疾風
142.帰京の朝ラベンダー揺れる母の庭
145.往来にモノローグあふるる夕涼み
148.洗濯物袖口揺れる屁ひり虫
151.軒先に夕餉薫りて秋思かな
154.
凍蝶のしがみつきたる日なたかな

134.屑籠のまだ遠きかな寒の明け
137.小包の新聞ちぎる啄木忌
140.古塚や参る人なく卯の花くたし
143.
床に臥す人のくれたる菓子の黴
146.サングラスかけて旅ゆく卒寿かな
149.掌のやがて温もる唐辛子
152.もういちど鍵を確かむ今朝の冬
155.煤掃きの手の向こうに見ゆ空青き

24年

156.初夢のいつもの山の遥かなり
159.忘失の名閃きたり春の曙
162.放課後の賑々し声行く春や
165.目くばせをされて揺れたる若葉かな
168..ひとつ傘ゆだねて歩く巴里祭
171.送り火のひとつまたたく生家かな
174.夜学子の一日(ひとひ)をきざむ重たきノート
177.
*************

157.ボート塗るペンキ屋の唄日脚伸ぶ
160.うたた寝の夫婦の膝に独活わたる
163.
166.夏帽子全力走の笑顔かな
169.************
172.*************
175.そぞろ寒ニベアの缶の封を切る
178.*************

158.東京を離るる友の二月かな
161.またひとつ鉢が出で来た水温む
164.放課後の賑々し声行く春や
167.梅雨籠り床一面の玩具の海
170.風死して留守番の子ら泣き果つる
173.この道もカンナ咲きてゆき止まり
176.
*************
179.


黒髪
17年

7.プラットホーム夕日を見ればさとの秋
10.過ぎし日を懐抱き山眠る

8.思い出も焚き火とともに消えた夜
11.賑わいて最後の値引き大晦日

9.明日笑う力受け取る日向ぼこ

18年

12.ATM止まって気付く三が日
15.明日の空晴れか曇りか猫の恋
18.
ふわふわり何処へいざなうねこやなぎ
21.銀の道夜遊びの跡なめくじら
24.雷雨やみワイパーの向こう虹の橋
27.黙祷の球児が告げる終戦日
30.見る夢も二本立てなり長夜かな
33.犬はねるフワフワじゅうたん落ち葉道

13.冬の灯は温かさあり道急ぐ
16.揺れるのは恋してるから半仙戯
19.手の中に チョウ捕らえては 解き放ち
22.サンダルのネイルがピカリ衣更え
25.扇子手に開けばそこに涼があり
28.草むらでリンリンリンと運動会
31.
*************
34.焼き鳥や頬を突く串いまいまし

14.天気図のマイナス消えて春隣
17.トレンチコートめくって優し春の風
20.こころ晴れ直後に曇る五月かな
23.指先で味わうやよし冷やし酒
26.お土産は水羊羹だねばあちゃんち
29.走っても追っかけてくるお月さん
32.
*************
35.冬日向ただいるだけの幸福感

19年

36.スーパーに一日遅れ初若菜
39.おぼろ月雨やもしれぬ覚悟せり
42.思い出とともに現る桜かな
45.紫陽花や変幻自在夜に浮かぶ
48.
ふと見れば先頭におり蟻の道
51.*************
54.*************
57.交差点指かぢかんで冬仕度

37.福よ来い試してみよか恵方巻
40.
鶯や宇宙のすみにじっとおり
43.みどりの日お疲れさんと空見上げ
43.*************
49.*************
52.*************
*************
58.*************

38.飛び梅やたれをか追わんこぞ今宵
41.東風に舞う花びらの下集いけり
44.夏めきて黒髪そよぐ登校路
47.
*************
50.*************
53.芋天は皿いっぱいの母の愛
56.*************
59.ポケットに入れてあげたし竈猫

20年

60.そこここに太陽が落ち福寿草
63.雪どけの水に浸れる心地よさ(参考句)
66.蹴まり消え残像ありし紫木蓮
69.儚くも生き抜く友よ桜桃忌
72.
*************
75.二十四時かくれんぼする残暑かな
78.天の国新米包む黄金色
81.
*************

61.独楽のごと回らずとも来る日曜日
64.
*************
67.晴れ晴れと足音響き遠足路
70.競い馬日曜の午後サイレンス
73.かつて棘いま癒されし海月かな
76.混沌の鼻くすぐりて猫じゃらし
79.銀杏や都会に落つる宝石や
82.チィくしゃみ人気あるねと顧みる

62.*************
65.*************
68.てくてくてくそれだけでいい春の昼
71.
*************
74.大好きな人思いつつ飲むビール(参考句)
77.
*************
80.*************
83.背に光ごろんと寝転ぶ年忘れ

21年

84.高く投げ手鞠は空(くう)を遊泳す
87.寝息にてほろ苦くなる蕗の薹
90.歩をゆるめ銀座四つ角風光る
93.素足にて洗面に立つ薄暑かな
96.両脇になないろアーチ噴水路
99.蜩や闘い終えて声やわぐ
102.*************
105.まったりと湯豆腐が舞うプロポーズ

85.舗装路に落つ赤黄いろ寒椿
88.わたしにも幻想が舞い春の雪
91.夏近し半袖シャツのやわらかさ
94.窓のそと守宮の腹に血のかよふ
97.不惑まえ知恵をリュックにいざ登山
100.
*************
103.まるくない個性成熟ルレクチェ
106.まったりと湯豆腐が舞うプロポーズ

86.鮫に会うそこにあるのはルミノール
89.
膝小僧すり傷染まる蓬色
92.藤の花ふわり飛び乗る恋愛運
95.さくらんぼ日米気質食べ比べ
98.涼しさと夜のコンビニデートかな
101.*************
104.舞い降りし落ち葉すずめに変身す
107.多忙寝坊しびれを切らす師走かな

22年

108.光差す筆ペン持ち出し書初めす
111.薄氷スプーンで割るブリュレかな
114.待ちぼうけおひとりさまの花疲れ
117.滝見して真空状態蝶横切る
120.孑孑の巣くう小鼻の脂ギル
123.鉄鍋や泡立つ台風出現す
126.ほっこりとほっこりと炊く南瓜かな
129.しじまゆれ十一月のヴァイオリン

109.何を為す机に向かうちゃんちゃんこ
112.吹きすさぶ土手に潜むは土筆かな
115.春灯(はるともし)オレンジ色のさんざめく
118.昼顔のそっと浮かべる味噌汁や
121.気に入りも箪笥の肥やし浴衣かな
124.早足の出勤路ゆく休暇明け
127.カフェの窓誰かが描いた鰯雲
130.湯冷めして生命の危機を顧みる

110.だいこんや愛情込めたら透き通る
113.初陣のグルメ焼きそば青き踏む
116.まじめ顔きらきら光る鮎一尾
119.侍の華麗なシュート夏野かな
122.血圧の低下噛み締めオクトパス
125.十六夜や地蔵を包む虹ありき
128.丁寧をひとつひとつのおでんかな
131.ああ遠い静かに呑める忌憚かな

23年

132.双六やあがり設定マチガエタ
135.ぐっすりと眠ってはるか春の風邪
138.折ひらく瀬戸内海に花吹雪
141.カッコウと森を歩いて三拍子
144.熱風炉風車も回る文月かな
147.ちっぽけをちっぽけとなす銀河かな
150大観峰ススキのひかりひかりかな
153.手袋のするするするりシンデレラ

133.停車駅セーラー服に雪ひとつ
136.淡雪やぽわぽわほわと口どける
139.きらきらと洗濯槽の水ぬるむ
142.一滴のラベンダー浴アロマかな
145.納涼や花火の映えるユーチューブ
148.ぶぶぶならかわいいほうかへこき虫
151
.地球まで8分の旅秋思ふ
154.そっとそっと凍蝶羽ばたく朝の時

134.ぴりぴりと頬射る風の寒明ける
137.立ち消えて陽炎を追う夢見かな
140.日曜は卯の花腐し籠りけり
143.スイミーの大群に遭ふ慶良間かな
146.サングラス気取って箱入娘かな
149.きほんのきオイルに揺れる唐辛子
152.立冬もCO2一枚分の温かさ
155.煤払い鏡を磨く新聞紙

24年

156.初夢や二十年後の吉を引く
159.春暁やバス終着の深呼吸
162.
165.のんびりと若葉くぐりて神田川
168.パリパリのクロワッサン食む巴里祭
171.玄関の送り火見つめ「ごはんまだ」
174.夜学して目覚めの珈琲夜明けかな
177.神の留守クモの子散らす脱原発

157..午後読書一頁ごと日脚伸びる
160.山独活のきんぴら刻む一夜かな
163.
166.夏帽子深々かぶり美人かな
169.木登りの飼い猫蝉を捕へけり
172.帰り道ほんのり染まる秋の空
175.脱衣所の淡い湯煙そぞろ寒
178.闇汁やチョコフォンデュに早変わり

158.逃げるって二月の夜明けまぶしけり
161.水温むオレンジの風舞い降りて
164.行く春と白詰草を踏みしめり
167.梅雨籠り宅配ピザの出番かな
170
.風死して次の一球晴れ間かな
173.ヴィヴィッドに紅輝くカンナなり
176.オリオンの剣を抜きて選挙戦
179.義理の子と向かい合うなら炬燵かな

25年

180.助手席や窓全開の嫁が君

181.大寒や体感温度MAXか

182.曇り空大陸全土の野焼きかな


めだか
18年


15.ひとり居て新聞読む夜猫の春
18.
*************
21.夕暮れや鉢底白しなめくじら
24.*************
27.敗戦日そを知る父逝き三年(みとせ)過ぎ
30.ポーを手に猫と寝そべる夜長かな
33.闇の奥裸電球酉の市


16.何処より『白いブランコ』我が青春
19.
尾根の風うけて蝶なほ留まれり
22.衣更え箱より古き子の上着
25.
幼子のひろげあぐねし扇子かな
28.ただいまの声を合図に秋刀魚焼く
31.枕辺にちちろ虫鳴く声響く
34.日曜の朝ゆっくりと納豆食ふ

14.掘り返す畑の黒土春近し
17.春の夕旅立つ息子の荷を送る
20.竹林に波寄せ五月の風過ぐる
23.
*************
26.枝を切るはさみを置きて水ようかん
29.
秋桜が頷き返す独り言
32.江ノ電の車窓に光る冬の海
35.冬日向天空の月長き影

19年

36.孫を待ち老女の門に注連飾り
39.千鳥足ビルの狭間のおぼろ月
42.
大仏や桜吹雪の中に居り
45.降りて尚紫陽花コップで七変化
48.夕焼けや杖つく老爺の散歩道
51.
*************
54.流星を浴びて登りぬ富士の山
57.*************

37.*************
40.うぐいすの稽古始めはカ行から
43.*************
46.湯上がりや父のビールと子のソーダ
49.発電器音高らかに夜店かな
52.*************
55.月もまた共に急げり家路かな
58.*************

38.梅を背にガッツポーズの十五歳
41.強東風や横切る猫の歩を止めぬ
44.
夏めきて無灯の夕餉日曜日
47.ふりむけば青田横切り列車行く
50.*************
53.焼き芋の声だんだんと近づけり
56.
実を踏みて団栗の木のあるを知る
59.子の寝るを待ちえ夜更けぬクリスマス

20年

60.福寿草可も不可もなき日曜日
63.
*************
66.十八の黒猫逝かむ風車
69.鴎外についでに線香桜桃忌
72.誘われて足元濡らす蛍狩り
75.無花果を割れば中より赤き花
78.新米やそっとほっこり椀に盛る
81.朝夕に虎落笛聴く旅の宿

61.*************
64.永日や遠回りして帰ろかな
67.
*************
70.ゆり科なる辣韮の実の花知らず
73.朝採りしトマトのまとう陽の光
76.
*************
79.深秋やくぬぎ並木の影重し
82.*************

62.カーテンのはらみて気づくすきま風
65.十八の黒猫逝かむ風車
68.去年逝くき叔母の湯飲みに新茶注ぐ
71.夏木立抜けて見上げし浅間かな
74.炎天を歩みて「異邦人」と化す
77.本を手に熱き紅茶と焼きリンゴ
80.うす暗き社に子の声七五三
83.古暦燃えて煙となりにけり

21年

84.天窓の光り一筋初湯かな
87.蕗のとう採りて出会いし道祖神
90.風光や乳母車の子の目の覚めぬ
93.家人待ち筍飯を炊く夕べ
96.噴水や下がりて現る博物館
99.阿波踊り鼻緒は痛いし腕重し
102.夕暮れや路傍に咲きし草の花
105.小春日や干したふとんに猫と寝る

85.受験生見送る朝や寒椿
88.滑りゆくフロントガラスの春の雪
91.跳び乗りしサドルの熱さ夏近し
94.どくだみや太宰が逝きし川の土手
97.点々と灯連ね富士登山
100.真っ青な空仰ぎみる秋彼岸
103.老犬の濡れて動かず秋の庭
106.湯豆腐のふっと音せり一人部屋

86.捕らわれて板に白き終の鮫
89.粗母を真似町の空き地で蓬摘む
92.藤の花あおぐかなたに五重の塔
95.
どの子にも同じ数だけさくらんぼ
98.涼風や一日(ひとひ)の仕事終えにけり
101.富士迫る山路に座して初紅葉
104.落ち葉掃く音響きおり朝の道
107.幸いを記す日ねがい日記買う

22年

108.来れば憂し来ずば寂しき賀状かな
111.海苔採りの腰を伸ばして仰ぐ空
114.花疲れ寝た子をいだき帰路につく
117.奥多摩の雨中一気に滝登る
120.かくれんぼ防火用水に孑孑
123.那覇沖の台風禍は夢のごとし
126.夕暮れや南瓜ことこと主(あるじ)待つ
129.カサカサと十一月の散歩道

109.気が付けばいよいよ赤きちゃんちゃんこ
112.大道芸人のシャボン玉長し
115.春燈の数と等しきその暮らし
118.*************
121. ネット見て浴衣着付けし現代っ子
124.休暇明けいつもの人とすれ違う
127.*************
130.湯ざめせぬように追う子の笑い声

110.野水仙群れて咲きたり伊豆の海
113.我が歩む曲がりし道や青き踏む
116.湖の水面動かず鮎を食ふ
119.放牧の子牛の声や夏野ゆく
122.蛸捕りや竹富島の浜の闇
125.十六夜や今日の憂きこと忘れよう
128.団欒のおでんの湯気立つ静夜かな
131.行く年やはやぶさノーベルさかなくん

23年

132.*************
135.*************
138.*************
141.こだましてかっこういずこかさだまらず 
144.白き雲諏訪湖の彼方夏来る
147.山頂で銀河につつまれ眠る夜
150.帰り道すすきが原に日の沈む
153.手袋で人形作りし昼休み

133.雪降りて車馬のかしまき去りにけ
136.春航や休火山の富士望む
139.災厄を流し清めよ春の雨
142.山よりの風ラベンダーゆさゆさと
145.*********
148.*********
151.遊ぶ子の声天までも秋思かな
154.*********

134.寒明けや合格通知届きけり
137.*************
140.散歩道卯の花腐し古屋敷
143.老猫や暑さに尾を垂れ塀の上
146.サングラスかけて大人の仲間入り
149.一人旅軒下明かし唐辛子
152.立冬や朝窓あけてくさめする
155.煤掃きやこころの塵もさようなら

24年

156.夢で逢い己の真意気がつきぬ
159.春暁や黒き枝頭のふくらみぬ
162.
165.大太鼓若葉みどりをゆらしけり
168. あこがれの巴里祭よ夢の旅
171.
*************
174.夜学終えヘッドライトテールランプ
177.毎朝の老爺の参拝神の留守

157.雨戸引く音隣家より日脚伸ぶ
160.信濃路や夕餉の小鉢独活白し 
163.
166.バス停のベンチに小さき夏帽子
(参考)
169.蝉の声道路工事は昼休
172. 街路樹をふちどりにして秋の空
175.*************
178.闇汁や友と騒ぎぬ山の小屋

158.合格と不合格あり二月過ぐ
161.俊敏に泳ぐ魚よ水温む
164.行く春や邂逅の旅始まりぬ
167.猫と居て往来眺めぬ梅雨籠もり
170.
*************
173.知らぬ間に車道の際にカンナ咲く
176.残業を終えてオリオン仰ぐ帰路
179.
*************

25年

180.嫁が君初めて出会い騒ぐ嫁
183.白魚の喉を下りぬはひふへほ

181.*********

182.大寒や日暮里からのダイヤ富士
 

優勝
殊勲賞
敢闘賞

26.枝を切るはさみを置きて水ようかん
42.大仏や桜吹雪の中に居り
84.天窓の光り一筋初湯かな

19.尾根の風うけて蝶なほ留まれり
25.幼子のひろげあぐねし扇子かな

29.秋桜が頷き返す独り言3
38.梅を背にガッツポーズの十五歳
44.夏めきて無灯の夕餉日曜日
56.実を踏みて団栗の木のあるを知る
95.どの子にも同じ数だけさくらんぼ


草千里
23年

135.
138.音もなくただはらはらと散る桜
141.子らが行く横断歩道郭公の声
144.夕立や虹を願いて雨宿り
147.連れて行け銀河の果てのその先へ
150.陽や風をまとい揺蕩う薄かな
153.枕元置いた手袋病の児

136.土手に一(ひとつ)ちょい早咲きの桜かな
139.咲く躑躅勝負の化粧脅かす
142.ラベンダー肌に残りし赤い痕
145.納涼や日の出桟橋ごま油
148.夜更けて見つめる窓に屁ひり虫
151.虫さされ瘡蓋も消え秋思う
154.ただじっと不動なるかな冬の蝶

137.音もなくただはらはらと散る桜
140.もやい傘見かけた卯の花腐しかな
143.紫陽花や濡れて輝く夜明け前
146.サングラスずらした指の赤い爪
149.唐辛子もぎり指舐めはしゃぐ子ら
152.*************
155.煤掃きて毘盧遮那仏の垢落とし

24年

156.初夢や富士のごとなる房ふたつ
159.春暁の眠り揺さぶるなまずかな
162.
165.*************
168.巴里祭の風切り進めマイヨ・ジョーヌ
171.送り火や生ある人の乞う明日
174.袖口やようよう黒く夜学生
177.*************

157.日脚伸ぶ下校チャイムの響く坂
160.*************
163.
166.さよならと声無き唇夏帽子
169.蝉時雨耳塞ぐごと空っ晴れ
172.泥酔を選びし朝や秋の空
176.*************
178.闇汁や差配の奉行閻魔顔

158.行く二月緩み始めの野山かな
161.*************
164.行く春や笑う足元変拍子
167.************
170.風死にて汗噴く肉体(からだ)透けたシャツ
173.驟雨過ぎ金赤カンナだらりかな
177.*************
179.一目づつかぎ針運ぶ炬燵かな

25年

180.コントラバス嫁が君落ちボンと跳ぬ
183.黒目照り心見透かす白魚ぞ
186.昼電車目借り時かなはだか顔
189.蚕繭我を守りし鎧かな
192.斑猫や埋まらぬ穴の中で跳ね
195.アスファルト匂いてボトリ夕立かな
198.*************
201.塩鮭やお茶で和ます食後かな
204.去年今年道一つなり進むや前へ
207.凍て返るお腹の虫がぐぅと鳴き

181.来し方や大寒の空舞うトンビ
184.淡雪や産毛に落ちて消えいらむ
187.*************
190.釣堀や闇おりて来て月を釣る
193.空蝉のぐしゃりの音や駆ける子ら
196..*************
199.水澄みて境目のなき湖面かな
202.震える手悴みだけじゃないくせに
205.寒卵孵るかなぁと添寝の児
208.*************

182.*************
185.人ごみや追う面影よ蜃気楼
188.雨蛙ひたと張付く缶コーラ
191.流れ雲纏いてずしり夏の山
194.*************
197.*************
200.*************
203.餅搗の響く掛け声夢うつつ
206.利休忌や茶筅の蔕を辿る舌

優勝
殊勲賞
敢闘賞

179.一目づつかぎ針運ぶ炬燵かな

146.サングラスずらした指の赤い爪
190.釣堀や闇おりて来て月を釣る

188.雨蛙ひたと張付く缶コーラ

無断休場
降格:10
累積:155
合計:145
4点以上

22年 


129.ふりむけば十一月の真暗闇


130.湯冷めしてなお言えぬこと長電話

128.吐く息の星雲なりしおでん食ふ
131.窓拭いて二十九度目の年の逝く

23年

132.双六の「一回休み」のごとき日か
135.かつおぶし粥に山盛り春の風邪
138.生きものの手足伸びゆく穀雨かな
141.かっこうのワルツ踊ろか長き夜
144.手ぬぐいの三枚を選る夏の朝 
147.給料日銀河へ続く東西線
150.*************
153.子狐も手袋買うや夜の町

133.二度寝より目ざめれば雪しんしんと
136.さくら餅半分ずつの安堵かな
139.春雨に抹香の香溶く七七日(なななのか
142.爪先に青溶かす夜のラベンダー
145.*************
148.*************
151.魚に菜に東北の影秋思う
154.うどん屋の灯に凍蝶の翅休む

134.ひとづてに吉報を聴き寒明くる
137.陽炎の分ける彼岸と此岸かな
140.汲置きの水飲み卯の花腐しかな
143.助手席の狭きより見る雷雨かな
146.サングラスはづし幼き眼の笑う
149.我食わぬ唐がらし買う旅野かな
152.手のひらを叩くがごとく冬来たる
155.煤掃きて終のすみかはいずこかな

24年

156.*************
159.春暁の浜で焚き火の夢を見ゆ
162.
165.*************
168.パリ祭飼い猫サヴァと名付けらる
171.送火や昨年よりも長く燃し
174.カウンターわが夜学の師並びいる
177.神の留守飯碗ふたつ新調す

157.歌上手き友と別れて日脚伸ぶ
160.カウンターの皆さくさくと独活食めり
163.
166.梅雨ごもり獏一頭を育まむ
169.発掘す土器洗いおり蝉の声
172.ウルトラマン現れさうな秋の空
175.*************
178.闇汁のBGMを決めかねし

158.わけもなくカレー食べたくなる二月
161.年下の子らのコイバナ水温む
164.行く春や本に見知らぬ付箋あり
167.まれびとの訪れを待つ梅雨籠り
170.************
173.************
176. 風吹きてオリオンのなお輝けり
179.炬燵して義父に教わる将棋かな

25年

180.やあ君も一杯機嫌か嫁が君
183.白魚や青菜の上で胸を張り
186.目借時右手も左手もあたたかし
189.************
192. 斑猫や涼しいほうへ飛んでゆけ
195.************
198.************
201.************
204.家族史を紐解いており去年今年

181.*************
184.春の雪二年の月日飲み込みて
187. 束ねても一人静の白さかな
190.ホームより見る釣り堀のうらやまし
193.空蝉の背より雨の注ぎいる
196..*************
199.掌ほどの池にも魚水澄めり
202.かじかみてバーの灯のあたたかし
205.オムレツの夢見て割らる寒卵

182.我もまた想像の枯野焼いており
185. 蜃気楼とびこえて来し黄砂か
188.************
191.夏の山眠る親子の息深し
194.腹の子に蹴飛ばされたり昼寝覚め
197.最終のバス待つ背に金木犀
200.仁王にも足湯のあるや冬来る
203.************
206.************

26年

207.************
210.子とわれのふたりの花見花衣
213.苺煮て煮て煮て心を落ち着かす
216.酔い覚めず青梅街道朝焼ける
219.ほんのりと祖母座すごとし走馬燈
222.敗荷の姿勢正しき無縁仏
225.冬の蠅娘とともに外出す

208.下萌えてふかふかと杖の先沈む
211.************
214.そわそわと祭り前夜のほうが好き
217.端居して命日ひとつやり過ごし
220.ひとり家にもうひとり来て雨月かな
223.彼岸花だいっきらいと少女立つ
226.************

209.蜜蜂に子らいっせいに散開す
212.************
215.幼子の息確かめており熱帯夜 
218.************
221.娘らのみな家出でて獺祭忌
224.鴨追いてのぼりし川の果つるかな
227.************

27年

228.初空や家族の背筋伸ばさしむ
231.菜種梅雨読書に溺れてしまいたし
234.
***********
237.
240.
***********

229.***********
232.***********
235.***********
238.ずぶ濡れて鯰を名乗る女かな
241.***********

230.***********
233.***********
236.***********
239.***********
242.***********

優勝
殊勲賞
敢闘賞

144.手ぬぐいの三枚を選る夏の朝
164.行く春や本に見知らぬ付箋あり
215.幼子の息確かめており熱帯夜
217.端居して命日ひとつやり過ごし
223.彼岸花だいっきらいと少女立つ

155.煤掃きて終のすみかはいずこかな
174.カウンターわが夜学の師並びいる

130.湯冷めしてなお言えぬこと長電話
137.陽炎の分ける彼岸と此岸かな
147.給料日銀河へ続く東西線
168.パリ祭飼い猫サヴァと名付けらる
187. 束ねても一人静の白さかな
238.ずぶ濡れて鯰を名乗る女かな

幕下17枚目

無断休場
降格:10
累積:185
合計:175

無断休場
降格:10
累積:175
合計:165

無断休場
降格:10
累積:165
合計:155

幕下17枚目

無断休場
降格:10
累積:-14
合計:24
3点以上

22年

130.ビールとねらっきょあたりめ湯ざめなう

131.行く年にそんなに働きたけりゃやれ

23年

132.双六の賽投げつけし通ひ妻
135.照る頬只春風邪のせいにして
138.をとがひを上げて落花とキス予回
141.郭公やこの森を今行き過ぎる
144.死んだふり 葉の掌 天の川
147.君笑ふ 銀河が首都に降ってきた
150.薄の間打たれし乳母の髪も揺れ
153.子狐も手袋買うや夜の町

133.思ひ出の雪崩あたしを生き埋めに
136.猛る君春にさらわれし星たちと
139.お蚕の宮へペタりて天を乞う
142.ラベンダーの湯殿を上がる宵の口
14.浜を駈る納涼太鼓おどりやれ
148.点滴の管登りきる屁ひり虫
151.皮表紙もたげし姪の秋思い
154.凍蝶の護衛はブルーインパルス

134.寒明けるぜったい明けるそう思
137.陽炎の城姫三十路ご乱心
140.卯の花腐しラ・ラ・ラ靴下の言うことにゃ
143.ぽたぽたと 泣いて瞬く蛍道
146.車上から 投げしはキスと サングラス
149.ドラキュラにいちかばちかの唐辛子
152.チェロを掻く指のみ燃して冬来る
155.煤掃きの途中あんたも掃いてまう

24年

156.初夢や妻ほほえみて「貴金属」
159.春暁にやいと撥ねたる泡立て器
162.
165.待ちわびる若葉の庭の庵にて
168.巴里祭息子を避けし砲弾や
171.揺れそぞろ千の送り火千の墓
174.夜学では老眼鏡で日直に
177.やわらかき頬を賜いし神の留守

157.チャチャっチャチャ駄犬走りて日脚伸ぶ
160.*************
163.
166.夏帽子飛んで回って麻耶の膝
169.録音部うるさい蝉を撃つ係
172.*************
175.*************
178.*************

158.弟や二月二十六朝来る
161.泣きっ面プリズムはぜて水温む
164.行く春の袖にすがりし我が爪は
167.************
170*************.
173.待てと云ふ君の目のふちカンナ色
176.*************
179.*************

25年

180.輩の足を踏んだぞ嫁が君
183.白魚の軍艦の味寝坊なう
186.我はもうたゆたゆとろん目借り時
189.*************
192.斑猫を捕らえし猫がふりかえる
195.************
198.************
201.塩鮭の白い部分と皮が好き
204.レジ打ちの顔を上げたら去年今年

181.*************
184.牡丹雪今でも俺を好きだろう
187.*************
190.*************
193.*************
196.*************
199.水は澄む墨を一条垂らしても
202.*************
205.寒卵揃ってかけて朝ごはん

182.野焼きする胸のうちなほ君を乞う
185.蜃気楼だったのあたしと独りごち
188.*************
191.*************
194.くたくたと昼寝の頬の髪の筋
197.*************
200.ポッケトに銀貨幾枚冬の街
203.餅搗や爺完爾と湯気の中
206.************

26年

207.************
210.************
213.************
216.************
219.************
222.************
225..***********

208.*************
211.************
214.************
217.************
220.御簾の奥雨月の君のためらいや
223.************
226.************

209.刺しちゃだめ驚かせてと蜂放つ
212.************
215.ベッドからこぼれる脚の熱帯夜
218.************
221.獺祭忌行けど行けどもエルサレム
224.鴨の罪おいしすぎるから撃たれるの
227.************

27年

228.************
231.************
234.***********
237.
240.***********

229.蝋梅のパルファム君の忘れもの
232.
***********
235.***********
238.チビ鯰そっと見た陽の乱反射
241.***********

230.風花や立ちこぎで行く二人乗り
233.***********
236.***********
239.***********
242.***********

優勝
殊勲賞
敢闘賞

148.点滴の管登りきる屁ひり虫
192.斑猫を捕らえし猫がふりかえる

185.蜃気楼だったのあたしと独りごち

204.レジ打ちの顔を上げたら去年今年
215.ベッドからこぼれる脚の熱帯夜
230.風花や立ちこぎで行く二人乗り

幕下14枚目

無断休場
降格:10
累積:16
合計:6

無断休場
降格:10
累積:6
合計:-4

無断休場
降格:10
累積:-4
合計:-14

幕下14枚目

届出休場
累積:71
合計:
4点以上

17年

7.季は巡り二人で帰る里の秋
10.天在り雲流れゆき山眠る

8.焚き火してあたたかいねと妻が言う
11.大晦日遙かなる家千鳥足

9.金無くて日向ぼこして日が暮れて
41.*************

18年

12.三ケ日呑み場閉まって行き場なし
15.ドラ猫の恋去りブラリブラブラリ
18.昇り鯉色気離れぬ古柳
21.蛞蝓は土より出ずる地の涙
24.稲光黄金色の花雲に咲き
27.萎みても散らぬ色艶牽牛花
30.長き夜滲んだ文字の母の文
33.袋小路溜まるな落ち葉空に舞え

13.星の子が 夢語り合う 寒燈座
16.目を瞑り(つむり)ブランコ漕いで風と添
19.蝶の舞い風が教えた自由かな
22.衣更えピンクの靴の心映え
25.半開き扇子の香り祖母偲ぶ
28.ぶった斬る!敵は腹虫武器秋刀魚
31.アンテナで蟋蟀が笑ったラジオ寄席
34.納豆に理屈はいらぬ葱芥子

14.寝過ごして海まで行こか春隣
17.俺を呼ぶ荒野の息吹紅い春
20.俳句〆薫る五月に脂汗
23.白き瓶汗を肴に冷やし酒
26.*************
29.そよぐ風月は武蔵野独歩行
32.蒼き波凍れる朝日冬の海
35.冬日向立ち止まる風肩の上

19年

36.若菜摘む小鳥眺める老いた猫
39.春一番フレアスカート追い求め
42.孤独な死来世は桜の花に咲け
45.濡れながら紫陽花写す老絵描き
48.泣き止んだ空が照れたか赤い顔
51.向日葵は日輪にキスねだるのみ
54.*************
57.菊折った孫を叱れず涙花

37.用もなくじろじろ見るな寒鴉
40.小さき手鶯の骸包み泣く
43.亀鳴けば膝擦りむきて子供泣く
46.裸にて菓子パンを喰ふ子供たち
49.俯いた夜店の影の意気地無し
52.なぜだろう我が家の案山子にボイン有り
55.一人旅柳生十兵衛月を斬る
58.暮早し明日待つ大地背伸びする

38.室町の香る花梅御伽酒
41.春にみる夢は桃色さめるまで
44.天丼に追加の穴子いつ喰う哉
47.風が梳く青田大地の乙女髪
50.水浴びる子供見つめるブルドッグ
53.心無き武士(もののふ)は去れ相撲界
56.団栗をかじりて苦し餓鬼大将
59.*************

20年

60.*************
63.雪解けを待つ中東に神何処
66.蜆汁勝丼天丼上鰻重
69.欠伸して空を丸呑みにして初夏
72.見えてない蛍があそこと抱き寄せて
75.畑中で笑み溢れ出す残暑かな
78.松茸を見て嗅いで食べて自慢して
81.虎落笛裸で踊る日本人

61.独楽だって回りたくない時もある
64.野良お八つ祖母笑う背で山笑う
67.開けた窓風と囀り文机
70.らっきょうを透かして見てみるひとり酒
73.漂える水母を見つめ海になり
76.登高や届かぬ空に溶けて居り
79.ぎんなんだけむいてくれるのうちのひと
82.積み上げた藁を見上げて大くさめ

62.ウエストも達磨に似たり冬ごもり
65.風車回れ回れと吹く子供
68.春の昼屁を放る尻の香ばしき
71.夏木立甘めの紅茶飲んで居り
74.汗だくでつまみ作ってソリャッ!ビール
77.君がため剥いた林檎の皮厚
80.阿佐ヶ谷の北六丁目に狸あり
83.年忘れ酒に流れぬ苦き罪

21年

84.初湯にて娘の尻が丸くなり
87.尻掻けば猫も耳掻き長閑なり
90.君去りし後の空部屋風光る
93.大人だけ筍飯に目を細め
96.噴水に飛び込む子らに大志あり
99.蜩の短き婚活声高く
102.首かしげ何を迷うや赤蜻蛉
105.背を丸め独り湯豆腐蒼き息

85.空は空椿は椿俺は俺
88.子の病淡雪の中急く家路
91.夏近くすべて病原牛鳥豚
94.どくだみよ嫌われものの真面目かな
97.紅白もなく夜に咲く百日紅
100.*************
103.*************
106.背を丸め独り湯豆腐蒼き息

86.*************
89.蓬摘む婆の話をきく娘
92.揺れる風藤紫に夢控え
95.茎なくば味わい哀しさくらんぼう
98.涼むより走ってみるか上り坂
101.デカさゆえ嫌われ跳ねるかかまどうま
104.冬桜の下で煙草を吸ってみる
107.栗金団芋漉す役は親父様

22年

108.命懸け!?そんなに欲しいか福袋
111.海苔炙り醤油につけて飯に巻く
114.花疲れ寝坊の朝に休み取る
117.赤目滝命を落とした忍びの子
120.ボウフラを見る眼鋭しダメ大人
123.台風で休校の日に塾に行く
126.*************
129.しじまゆれ十一月のヴァイオリン

109.母が縫うちゃんちゃんこ着く初東京
112.大空を全部写して石鹸玉
115.春燈下読者する君指白く
118.新宿の昼顔見つめる夜の蝶
121.歩いた日浴衣の君と三周も
124.休暇明けメールの処理で日が暮れる
127.*************
130.湯冷めしたふりして寄り添う夜の道

110.雪の夜母にメールの返信す
113.武蔵野の踏み切りの端青き踏む
116.。清流を食卓に呼ぶ鮎の爽(参考)
119.切り株に座り夏野の神を見る
122.蛸のよに足組む女赫い靴
125.十六夜の月にあらずと吼えろ虎
128.アキバにておでんオタクと口づけし
131.行く年の背中にひとつ礼をする

23年

132.双六がチンチロになる10時過ぎ
135.春風邪をひいて莫迦でも休み取る
138.野仏も瞼重いか春の午後
141.娘嫁し郭公の声家の朝
144.炎昼に道脇の草不貞腐れ
147.*************
150.風すすき黄金の波に沈む子ら
153.手袋のロケットパンチ悪を討つ

133.雪が降る君あの場所に帰るなと
136.*************
139..口笛を吹いてひと跳び青蛙
142.振り向けばあの人でなくラベンダー
145.四万十や納涼のせて流れゆく
148.クサムシのブローチ流行り保母困る
151.屋上に寝ころび秋思さらば恋
154.声あらば語るか凍蝶憂きその身

134.二ケツチャリ君のぬくもり寒開ける
137.野仏も瞼重いか春の午後
140君去りて卯の花腐し空白く
143.*************
146.キャメル捨てグラサン装着ベスパ駆る
149.唐辛子別れた悪女の目の如し
152.立冬に濃いめの紅茶甘く飲む
155.くしゃみして黒洟垂れる煤払い

24年

156.初夢に辰見た朝にたつ息子
159.暁に見上げた空の色無限
162.
165.のびのびと伸びろ若葉よ天にまで
168.*************
171.紅顔の孫と送り火母米寿
174.*************
177.神の留守賽銭なくて宮司伏す

157.受信歴母の名多し日脚伸ぶ
160.昼間酒独活の突き出し善光寺
163.
166.*************
169.蝉しぐれ集った友と去った友
172.秋の空自由を得たか赤風船
175.頭上にて鉄のみさご飛ぶそぞろ寒
178.闇汁にそっと混ぜ込む恋心

158.耳掻きの膝のぬくもり二月妻
161.あの頃の俺たち映し水温む
164.行く春を拍手で送る風林
167.レコードの針取り替える梅雨ごもり
170.風死せど未来のために汗達磨
173.俯けど視線落とさぬ花カンナ
176.厚切りのハム焼き乾杯オリオンと
179.こたつむり母に見つかりおかんむり

25年

180.*************
183.*************
186.果報待つ俺の季節だ目借時
189.繭ひとつ小さき玉に夢つまる
192.。斑猫よ誰がお前に地図渡す
195.夕立ださあ仕事止め酒飲もう
198.無駄にいて捜すといない鉦叩
201.塩鮭に醤油ドボドボ飯五杯
204.貫くは初志あるのみぞ去年今年

181.大寒の固き闇夜を割る朝日
184.我が恋は禿頭に降る淡雪か
187.君知るや一人静の寂しさを
190.釣り堀の背広男や浮き沈み
193..*************
196.桐一葉拾いて仰ぐ風の街
199.*************
202.*************
205.寒卵割ってびっくり猫ジャン

182.好きの文字野火に託して燃え尽きる
185.朝市で宿六発見蜃気楼
188.雨蛙跳ぶ前にひとつお辞儀をし
191.大岩を越えててっぺん夏の山
194.末の子と昼寝の長女そして猫
197.散歩道木犀の香で順路変え
200.*************
203..*************
206.利休忌に届かぬ声を呟けり

26年

207.凍返る政権党の傲慢さ
210.凍えてもこの花衣今日は着る
213.いつ食うやとなりのケーキの苺ちゃん
216.朝焼けの洪水の浴びて露天風呂
219.走馬灯子供も廻り母怒鳴る
222.*************
225.*************

208.番長も下萌る道クラス替え
211.*************
214.意気地なし遠い祭とあの娘の背
217.*************
220.待ち人は来ず晴れの夜の雨月かな
223.*************
226.*************

209.*************
212.黒髪の少女牡丹の横に立つ
215.*************
218.やせ細る母一口の氷菓食ふ
221.*************
224.*************
227.*************

27年

228.*************
231.*************
234.
237.
340.

229.*************
232.*************
235.
238.
341.

230.*************
233.*************
236.
239.
342.

優勝
殊勲賞
敢闘賞

67.開けた窓風と囀り文机
137.野仏も瞼重いか春の午後
139..口笛を吹いてひと跳び青
167.レコードの針取り替える梅雨ごもり

50.水浴びる子供見つめるブルドッグ
218.やせ細る母一口の氷菓食ふ

14.寝過ごして海まで行こか春隣
21.蛞蝓は土より出ずる地の涙

幕下17枚目

無断休場
降格:10
累積:185
合計:175

無断休場
降格:10
累積:175
合計:165

無断休場
降格:10
累積:165
合計:155

幕下17枚目

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