リプリー  THE TALENTED MR.RIPLEY
 映 画
邦 題

リプリー  

原題

THE TALENTED MR.RIPLEY

ジャンル

青春サスペンス

監督

アンソニー・ミンゲラ

脚本

アンソニー・ミンゲラ

撮影

ジョン・シール

国・年度

米・1999-2000 140

ソース

DVD

【解説】 ニューヨークのうらぶれたアパートに住む貧しい青年トムと、ヨーロッパで気ままな豪遊生活を送るディッキー。本来なら交わるはずのないふたりの人生が、南イタリアのまぶしい太陽のもとで交錯したとき、危険をはらんだドラマの幕はあがる。マージという恋人はいるものの、刺激のない毎日に退屈していたディッキーにとって、下層階級のトムは物珍しいオモチャそのものだった。トムを連れ、セーリングやジャズ・クラブで遊びまわる日々。そんななかで新しい世界の扉を開かれたトムは、自由奔放なディッキーの発散するオーラにひきつけられ、贅沢なライフスタイルに魅せられていく。気まぐれからトムを自分たちの生活に引き入れるディッキー、そしてそんな彼にせつない程の憧れを抱くトム。しかし、ディッキーがそんなトムの存在を疎ましく思い始めたとき、悲劇の始まりが・・・。

アンソニー・ミンゲラは前作<イングリッシュ・ベイシェント>で、ジャズを上手な使い方をしていた。だから、ジャズがストーリーの進行上大きな役割を持っていると聞けば<リプリー>にはかなりの期待感を持たざるをえない。ジャズファンとしては、なにはともあれ観に行かなければなるまい。そして今日、照りつける太陽をものともせず、またまた吉祥寺までバイクで出かけていったのだ。何時になく20分も早く入館し、800円もするパンフレットも買った。普段はあまり観ない予告編も観た。本編も観た・・・観てる間に客席を立って出て行く人たちが・・・冗漫、退屈、意味不明な音楽場面(ジャズファンなら我慢できる)の奇矯なる連続「オレも出たいよ、だけど何処でジャズが使われるか判らないので帰れないんだよ〜」と心で叫んだ。やがてエンディングからエンドロールへ、だがひとりとして客席を立つものはない。この空間を埋める人たちにあるのは、感動の姿ではないことは確。あまりにも唐突な、難解なエンディングに戸惑い、呆然としているのだ。オレは原作も、この映画のパンフも読んでいるので、ストーリー全体を把握することは出来るが、先入観なしでやって来た観客にとってはこの終わり方は酷だろうといいたい。そういえば、夜、映画の話を名編集者薫ちゃんと話してところ「<やおい>という業界用語があるの知ってる」と妙なことを言う。なんのこっちゃと聞いてみると「女性作家が男同士の愛を書いたものが、先ず前提。や。山なし・・・お。落ちなし・・・い。意味なし・・・以上」なるほど〜〜、その説からいくと、前提部分はちょっと違うが、この映画はまさに<やおい>だ、くそったれだ、まったく!怒りがまた湧いてきた。どうにも後味が悪い、何か書けば書くほど頭に血が昇ってくる。ましてや、まったく中多半端なジャズの扱い方・・・あぁ〜腹が立つ!なにも言えない。劇場を出る時だってパンフレットだって隠しながら出てきたのだ・・・はぁ情けない。数あるリプリーものパトリシア・ハイスミス原作の映画化では、極め付き超最低作品と言っておこう。『イングリッシュ・ペイシェント』で作品賞をはじめとする9部門のオスカーを獲得したアンソニー・ミンゲラ監督ほかのスタッフが再結集。1960年のルネクレマン監督、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』とまったく異なるアプローチで映画化した。観光都市ナポリ、ローマ、ベネチアを舞台に繰り広げられる愛と裏切りのサスペンス・ミステリー。原作はパトリシア・ハイスミスの『タレンテッド・ミスター・リプリー』(邦題:太陽がいっぱい)。
原作でのディッキーは画家志望だったが、この映画では音楽愛好家に変更、クラシックの世界からディッキーの体現するモダンジャズの世界に飛び込んで行ったトムが、天性のアドリブの才能を発揮してピンチを切り抜けて行く。
【配役】トム・・・
マット・デイモン/ディッキー・・・ジュード・ロー/マージ・・・グィネス・パルトロウ/メレディス・・・ケイト・ブランシェット/フレディ・・・フィッリップ・シーモア・ホフマン/ピーター・・・ジャック・ダベンポート/ハーバート・・・ジェイムズ・レブホーン

音 楽
音楽監督

ガブリエル・ヤレド

主題曲・邦題

リプリー

主題曲・原題

THE TALENTED MR.RIPLEY

ジャンル

JAZZ &クラシック

作詞、作曲

ガブリエル・ヤレド

ソース

CD

*「エウゲニー・オネーギン」は未収録

【サントラ】1.Tu Vuo' Fa L'Americano 2.RENTO CAROSONE 3. My Funny Valentine 4. Italia 5.Lullaby for Cain 6.Crazy Tom 7.Ko-Ko 8.Nature Boy 9. Mischief 10.Ripley 11.Pent-Up House(SONNY ROLLINS) 12.Guaglione 13. Moanin'(BOBBY TIMMONS) 14. Proust 15.Four( MILES DAVIS ) 16. Promise 17.The Champ(DIZZY GILLESPIE) 18. Syncopes 19.Stabat Mater (excerpt)(ANTONIO VIVALDI ) 20.You Don't Know What Love Is(GENE DE PAUL)  
【演奏】
HARRY RABINOWITZ, Conductor JOHN MARTYN/ MATT DAMON/ FIORELLO/JUDE LAW/ THE GUY BARKER INTERNATIONAL QUINTET/IAIN DIXON/ ROBIN ASPLAND/ARNE SOMOGYI// CLARK TRACEY// CLIFFORD GURDIN//GUY BARKER//PETE KING// MARINO MARINI//THE LONDON METROPOLITAN ENSEMBLE, Chamber Ensemble/ MILES DAVIS, Trumpet//DIZZY GILLESPIE, Trumpet//CHARLIE PARKER, Alto Saxophone// SINEAD O'CONNOR, Vocal
エンド・クレジットに流れるユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ( YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS)はスコットランドが生んだ大御所シンガー&ギタリスト、ジョン・マーティンが歌うスタンダード・ナンバー。

小説
邦 題

太陽がいっぱい

原題

THE TALENTED MR.RIPLEY

ジャンル

サスペンス

作者

パトリシア・ハイスミス

訳者

佐宗鈴夫/青田勝

出版年度

1993/ 1971

出版社

河出文庫/角川文庫

パトリシア・ハイスミス作品一覧表
1950 「見知らぬ乗客」Strangers On a Train  青田勝訳 角川文庫 1972
1951 「見知らぬ乗客」Strangers On the Train (米) 監督:アルフレッド・ヒッチコック  出演:ファーリー・グレンジャー,ロバート・ウォーカー,ルース・ローマン
1952 「The Price of Salt」
1955 「太陽がいっぱい」The Talented Mr.ripley  佐宗鈴夫訳 河出文庫 1993 青田勝訳 角川文庫 1971
1960 「太陽がいっぱい」Plein Soleil, (仏=伊) 監督・脚本:ルネ・クレマン
     出演:アラン・ドロン,マリー・ラフォレ,モーリス・ロネ
1957 「水の墓碑銘」Deep Water 柿沼瑛子訳 河出文庫 1991
1958 「A Game for the Living」
1960 「愛しすぎた男」This Sweet Sickness  岡田葉子訳 扶桑社ミステリー 1996
1962 「ふくろうの叫び」The Cry of the Owl 宮脇裕子訳 河出文庫 1991
     「Le Cri Du Hibou」 1987(仏) 監督:クロード・シャブロー1962 「このミステリーがすごい!」(宝島社)海外編 1992年度 4位

1964 「殺意の迷宮」 Two Faces of January  榊優子訳 創元推理文庫 1988
1965 「慈悲の猶予」The Story-teller (A Suspension of Murder) 深町真理子訳 ハヤカワ 1966
   「殺人者の烙印」 深町真理子訳 創元推理文庫 1986
1966 「妻を殺したかった男」 The Blunderer 佐宗鈴夫訳 河出文庫 1991
    「このミステリーがすごい!」(宝島社)海外編 1992年度 15位
1967 「 This Sweet Sickness」
1969 「ヴェネツィアで消えた男」 Those Who Walk Away  富永和子訳 扶桑社ミステリー 1997
1969 「変身の恐怖」 The Tremor of Forgery  吉田健一訳 筑摩書房 1970(世界ロマン文庫)
1970 「贋作」Ripley Under Ground 上田公子訳 角川文庫 1973
「アメリカの友人」Der Amerikanische Freund, 1977(西独=仏) 監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース 出演:デニス・   ホッパー,ブルーノ・ガンツ,ジェラール・ブラン
   「11の物語」 Eleven 小倉多加志訳 ミステリアス・プレス文庫 1990
   「このミステリーがすごい!」(宝島社)海外編 1991年度 9位
    「かたつむり観察者」The Snail-Watcher/「恋盗人」The Birds Poised to Fly /「すっぽん」The Thrrapin/ 「モビール   に艦隊が入港したとき」 When the Fleet Was in at Mobile /「クレイヴァリング教授の新発見」The Quest for Blank Claveringi/「愛の叫び」The Cries of Love/「アフトン夫人の優雅な生活」Mrs. Afton, Among thy Green Braes/ 「ヒロイン」 The Heroine/「もうひとつの橋」 Another Bridge to Cross/「野蛮人たち」The Barbarians/「からっぽの巣箱」The Empty Birdhouse
1972 「プードルの身代金」A Dog's Ransom 瀬木章訳 講談社文庫 1985 岡田葉子訳 扶桑社ミステリー 19971974 「 Ripley's Game」
   「女嫌いのための小品集」 Little Tales of Misogyny  宮脇孝雄訳 河出文庫 1993
1975 「動物好きに捧げる殺人読本」The Animal Lover's Book of Beastly Murder  中村凪子ほか訳 創元推理文庫 1986
1977 「イーディスの日記」 Edith's Diary 柿沼瑛子訳 河出文庫 1992
    「Tagebuch」 1986(西独) 監督:ハンス・W・ガイゼンドルファー
1979 「風に吹かれて」 Slowly, Slowly In the Wind 小尾芙佐ほか訳 扶桑社ミステリー 1992
1980 「リプリーをまねた少年 」The Boy Who Followed Ripley 柿沼瑛子訳 河出文庫 1996
1981 「黒い天使の目の前で」 The Black House 米山菖子訳 扶桑社ミステリー 1992
1983 「扉の向こう側」People Who Knock On the Door 岡田葉子訳 扶桑社ミステリー 1992
1985 「ゴルフコースの人魚たち」Mermaids On the Golf Course 森田義信訳 扶桑社ミステリー
1986 「孤独の街角」Found In the Street 榊優子訳 扶桑社ミステリー 1992
1987 「Tales of Natural And Unnatural」
1992 「Ripley Under Water
1994 「スモールgの夜」扶桑社ミステリー


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