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【解説】
傑作「真夜中のカーボーイ」でニューヨークの暗部を切り取って見せた監督・製作・脚本のトリオが、30年代のハリウッドの裏側にスポットを当てたN・ウェストの原作を映画化した問題作。1938年、ハリウッド。大学を卒業したばかりの若者トッド(W・アザートン)は撮影所の美術部に就職した。彼は安アパートの向かいに住むエキストラ女優のフェイ(K・ブラック)に惹かれるが、奔放な彼女はトッドの事を本気で相手にしない。ある日、フェイの父親がセールス先で倒れ、フェイはそこに住んでいた陰気なホーマー(D・サザーランド)と知り合う。やがて父の死を契機にホーマーとフェイは同棲を始めるが、ホーマーは気の多いフェイに振り回され疲れきっていた。ホーマーは帰郷する事をトッドに告げハリウッドを去ろうとする。時おなじく、サンセット・ブールバードでは映画のプレミア・ショウが催され、一目スターを目にしようと大群衆が集まっていた……。黄金期のハリウッドの底辺で蠢く奇怪な人物や出来事が幾重にも錯綜しつつ、“イナゴの日”が何を意味するのかが判明する強烈なクライマックスになだれ込む。後味は悪く、胃のもたれそうな内容ではあるが、ハリウッドにとっては“異人”であるシュレシンジャーの視点と、ダイナミックなタッチは見応えあり。
【配役】
ドナルド・サザーランド(ホーマー・シンプソン)、カレン・ブラック(
フェイ・グリーナー)、ウィリアム・アザートン(トッド・ハケット)、ボー・ホプキンス、ジェラルディン・ペイジ、バージェス・メレディス
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