優勝
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優勝:10
得点:34
累積:512
合計:556
8点以上
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●日曜生:ちょうど沢木耕太郎の「壇」を読み終わったところ。男とか父とか家族とか。うーん・・・と唸ってしまいます。堅めの言葉で面白い緊張感が出たと思います。
●夏草:語呂(韻律)があまりよろしくありませんが、詠んでいる内容、景色からすれば諧謔味が増してよろしいとも言えようか。
●黒子坊:家には「小型ながら猛烈な勢力」の台風が発生・・・ですね。
●かぼす:向田邦子の描く昭和な感じ。父が台風なのではなく、母の台風の動きが気になります。
●豆春:クールな娘の観察。父を頼む気持ちもありつつ、軽蔑して馬鹿にしている。思い出したように戻ってくる父の行動の間抜けぶりも可笑しい。そして娘は美しく若い…楽しく読ませていただきました。
●酔象:父と台風を行動で捉えたことが素晴らしい。家を離れている父の、主(あるじ)であることの無自覚な深層心理が、帰宅という行動を選(と)らせるのだろう。この父の行動を見ているのは娘の視線だろう、息子だとこうはいかない、男は高揚しているのだが、女は観察しているのだ。
●緑地:心細さ、恨めしさ、さみしさ、嬉しさ、詠むモノの心の中が台風のようです。
●阿美土:火宅の人を思い出しました。親父のあたふたさが浮かびますなあ。
●冬樹:第二室戸の続きから。当時工場勤務であった父は、母と三人の子供を家に閉じ込め、雨戸を板で補強し、外から釘まで打ち付けて工場の警戒に行ってしまいました。その折の心細かったこと・・。この句、私の父とはまるで反対のようにも思えますが、台風接近の緊迫感よりも、そこはかとないユーモアとペーソスがいい味を醸し出しています。
●利根ノ雫:流石は台風ですね。家族も一つにまとめてくれそうです。
●素松:ドラマが思い浮かぶ楽しい句でした。
●幻灯齋:気の弱い一昔前の作家のよう。台風にかこつけて愛人問題の関係改善でも図るのか?いろんな読み方が出来そうで面白い。
●珍念:なんだ、こっちの家族のことも心配なんだ。って、そんなことで安心すんな!
●小酔:独りで生きるなんて粋がっていても台風が来れば人恋しくなりますよね。願わくば十七文字にまとめて欲しいです。
●楽が鬼:川柳と俳句の剣が峰にすっくと立って・・・どうです読み取れますかと言っているような危うげなところが面白い
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