三段目 阿美土関 阿美土関談:ありがとうございました。大感激です。 優勝の口上です。 感激の一言に尽きます。ありがとうございました。このようなまさかがあるなんて、還暦目前に春が来ました。生きている実感、いいもんですね。 古里の木の風呂、薪をくべるばあちゃんの声と窓の月。何となく似た光景です。汲み取ってくださりありがとうございました。さらに精進していきます。 阿美土。 |
優勝:10 ●佳:一日の家事を終えて、ほっとした時間。ぼんやりと見る月は朧月が似合う。体験したことがあるような情景です。 殊勲賞:5 ●酔象:どどどんと威勢がいいやら春の風 敢闘賞:3 ●酔魚:山と月の距離感、月の大きさなどすべてを添い寝の一語で表現して見事。 技能賞 ●はじめ:阿佐谷ですね。あくびの直後に身を構える猫の様子が目に浮かびます。 春の風物誌の大風が吹きすさび人も途絶えた町中の商店。その店をひょいと覗いたらのんびりと猫が欠伸していた、ただそれだけの景色なのだが、ここには詠み人の心にしっかりと景色を焼き付ける力が潜在しています。主題に春一番の力強さ、副主題は景色の点景に猫の欠伸を描いた巧みな手法。この句を数度朗唱すれば理解が早い、佳句であることが判る。うさぎ屋としたことで商店であることを詠ませ、うさぎで柔らかさを表出し猫の欠伸で追い打ちをかけたレトリックの妙味、ただしこの句には季語が二つあります。春一番/欠伸ですね。而してお分かりのように、この会で禁じている季重ねも、主題、副主題が明確に表現された場合は、掟破りではないことは理解できるでしょう。故に、技能賞なのです。 |
三丁目関二度目の降格
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