17年
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7.季は巡り二人で帰る里の秋
10.天在り雲流れゆき山眠る
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8.焚き火してあたたかいねと妻が言う
11.大晦日遙かなる家千鳥足
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9.金無くて日向ぼこして日が暮れて
41.*************
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18年
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12.三ケ日呑み場閉まって行き場なし
15.ドラ猫の恋去りブラリブラブラリ
18.昇り鯉色気離れぬ古柳
21.蛞蝓は土より出ずる地の涙
24.稲光黄金色の花雲に咲き
27.萎みても散らぬ色艶牽牛花
30.長き夜滲んだ文字の母の文
33.袋小路溜まるな落ち葉空に舞え
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13.星の子が
夢語り合う 寒燈座
16.目を瞑り(つむり)ブランコ漕いで風と添
19.蝶の舞い風が教えた自由かな
22.衣更えピンクの靴の心映え
25.半開き扇子の香り祖母偲ぶ
28.ぶった斬る!敵は腹虫武器秋刀魚
31.アンテナで蟋蟀が笑ったラジオ寄席
34.納豆に理屈はいらぬ葱芥子
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14.寝過ごして海まで行こか春隣
17.俺を呼ぶ荒野の息吹紅い春
20.俳句〆薫る五月に脂汗
23.白き瓶汗を肴に冷やし酒
26.*************
29.そよぐ風月は武蔵野独歩行
32.蒼き波凍れる朝日冬の海
35.冬日向立ち止まる風肩の上
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19年
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36.若菜摘む小鳥眺める老いた猫
39.春一番フレアスカート追い求め
42.孤独な死来世は桜の花に咲け
45.濡れながら紫陽花写す老絵描き
48.泣き止んだ空が照れたか赤い顔
51.向日葵は日輪にキスねだるのみ
54.*************
57.菊折った孫を叱れず涙花
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37.用もなくじろじろ見るな寒鴉
40.小さき手鶯の骸包み泣く
43.亀鳴けば膝擦りむきて子供泣く
46.裸にて菓子パンを喰ふ子供たち
49.俯いた夜店の影の意気地無し
52.なぜだろう我が家の案山子にボイン有り
55.一人旅柳生十兵衛月を斬る
58.暮早し明日待つ大地背伸びする
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38.室町の香る花梅御伽酒
41.春にみる夢は桃色さめるまで
44.天丼に追加の穴子いつ喰う哉
47.風が梳く青田大地の乙女髪
50.水浴びる子供見つめるブルドッグ
53.心無き武士(もののふ)は去れ相撲界
56.団栗をかじりて苦し餓鬼大将
59.*************
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20年
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60.*************
63.雪解けを待つ中東に神何処
66.蜆汁勝丼天丼上鰻重
69.欠伸して空を丸呑みにして初夏
72.見えてない蛍があそこと抱き寄せて
75.畑中で笑み溢れ出す残暑かな
78.松茸を見て嗅いで食べて自慢して
81.虎落笛裸で踊る日本人
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61.独楽だって回りたくない時もある
64.野良お八つ祖母笑う背で山笑う
67.開けた窓風と囀り文机
70.らっきょうを透かして見てみるひとり酒
73.漂える水母を見つめ海になり
76.登高や届かぬ空に溶けて居り
79.ぎんなんだけむいてくれるのうちのひと
82.積み上げた藁を見上げて大くさめ
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62.ウエストも達磨に似たり冬ごもり
65.風車回れ回れと吹く子供
68.春の昼屁を放る尻の香ばしき
71.夏木立甘めの紅茶飲んで居り
74.汗だくでつまみ作ってソリャッ!ビール
77.君がため剥いた林檎の皮厚
80.阿佐ヶ谷の北六丁目に狸あり
83.年忘れ酒に流れぬ苦き罪
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21年
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84.初湯にて娘の尻が丸くなり
87.尻掻けば猫も耳掻き長閑なり
90.君去りし後の空部屋風光る
93.大人だけ筍飯に目を細め
96.噴水に飛び込む子らに大志あり
99.蜩の短き婚活声高く
102.首かしげ何を迷うや赤蜻蛉
105.背を丸め独り湯豆腐蒼き息
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85.空は空椿は椿俺は俺
88.子の病淡雪の中急く家路
91.夏近くすべて病原牛鳥豚
94.どくだみよ嫌われものの真面目かな
97.紅白もなく夜に咲く百日紅
100.*************
103.*************
106.背を丸め独り湯豆腐蒼き息
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86.*************
89.蓬摘む婆の話をきく娘
92.揺れる風藤紫に夢控え
95.茎なくば味わい哀しさくらんぼう
98.涼むより走ってみるか上り坂
101.デカさゆえ嫌われ跳ねるかかまどうま
104.冬桜の下で煙草を吸ってみる
107.栗金団芋漉す役は親父様
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22年
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108.命懸け!?そんなに欲しいか福袋
111.海苔炙り醤油につけて飯に巻く
114.花疲れ寝坊の朝に休み取る
117.赤目滝命を落とした忍びの子
120.ボウフラを見る眼鋭しダメ大人
123.台風で休校の日に塾に行く
126.*************
129.しじまゆれ十一月のヴァイオリン
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109.母が縫うちゃんちゃんこ着く初東京
112.大空を全部写して石鹸玉
115.春燈下読者する君指白く
118.新宿の昼顔見つめる夜の蝶
121.歩いた日浴衣の君と三周も
124.休暇明けメールの処理で日が暮れる
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130.湯冷めしたふりして寄り添う夜の道
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110.雪の夜母にメールの返信す
113.武蔵野の踏み切りの端青き踏む
116.。清流を食卓に呼ぶ鮎の爽(参考)
119.切り株に座り夏野の神を見る
122.蛸のよに足組む女赫い靴
125.十六夜の月にあらずと吼えろ虎
128.アキバにておでんオタクと口づけし
131.行く年の背中にひとつ礼をする
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23年
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132.双六がチンチロになる10時過ぎ
135.春風邪をひいて莫迦でも休み取る
138.野仏も瞼重いか春の午後
141.娘嫁し郭公の声家の朝
144.炎昼に道脇の草不貞腐れ
147.*************
150.風すすき黄金の波に沈む子ら
153.手袋のロケットパンチ悪を討つ
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133.雪が降る君あの場所に帰るなと
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139..口笛を吹いてひと跳び青蛙
142.振り向けばあの人でなくラベンダー
145.四万十や納涼のせて流れゆく
148.クサムシのブローチ流行り保母困る
151.屋上に寝ころび秋思さらば恋
154.声あらば語るか凍蝶憂きその身
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134.二ケツチャリ君のぬくもり寒開ける
137.野仏も瞼重いか春の午後
140君去りて卯の花腐し空白く
143.*************
146.キャメル捨てグラサン装着ベスパ駆る
149.唐辛子別れた悪女の目の如し
152.立冬に濃いめの紅茶甘く飲む
155.くしゃみして黒洟垂れる煤払い
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24年
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156.初夢に辰見た朝にたつ息子
159.暁に見上げた空の色無限
162.
165.のびのびと伸びろ若葉よ天にまで
168.*************
171.紅顔の孫と送り火母米寿
174.*************
177.神の留守賽銭なくて宮司伏す
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157.受信歴母の名多し日脚伸ぶ
160.昼間酒独活の突き出し善光寺
163.
166.*************
169.蝉しぐれ集った友と去った友
172.秋の空自由を得たか赤風船
175.頭上にて鉄のみさご飛ぶそぞろ寒
178.闇汁にそっと混ぜ込む恋心
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158.耳掻きの膝のぬくもり二月妻
161.あの頃の俺たち映し水温む
164.行く春を拍手で送る風林
167.レコードの針取り替える梅雨ごもり
170.風死せど未来のために汗達磨
173.俯けど視線落とさぬ花カンナ
176.厚切りのハム焼き乾杯オリオンと
179.こたつむり母に見つかりおかんむり
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25年
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180.*************
183.*************
186.果報待つ俺の季節だ目借時
189.繭ひとつ小さき玉に夢つまる
192.。斑猫よ誰がお前に地図渡す
195.夕立ださあ仕事止め酒飲もう
198.無駄にいて捜すといない鉦叩
201.塩鮭に醤油ドボドボ飯五杯
204.貫くは初志あるのみぞ去年今年
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181.大寒の固き闇夜を割る朝日
184.我が恋は禿頭に降る淡雪か
187.君知るや一人静の寂しさを
190.釣り堀の背広男や浮き沈み
193..*************
196.桐一葉拾いて仰ぐ風の街
199.*************
202.*************
205.寒卵割ってびっくり猫ジャン
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182.好きの文字野火に託して燃え尽きる
185.朝市で宿六発見蜃気楼
188.雨蛙跳ぶ前にひとつお辞儀をし
191.大岩を越えててっぺん夏の山
194.末の子と昼寝の長女そして猫
197.散歩道木犀の香で順路変え
200.*************
203..*************
206.利休忌に届かぬ声を呟けり
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26年
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207.凍返る政権党の傲慢さ
210.凍えてもこの花衣今日は着る
213.いつ食うやとなりのケーキの苺ちゃん
216.朝焼けの洪水の浴びて露天風呂
219.走馬灯子供も廻り母怒鳴る
222.*************
225.*************
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208.番長も下萌る道クラス替え
211.*************
214.意気地なし遠い祭とあの娘の背
217.*************
220.待ち人は来ず晴れの夜の雨月かな
223.*************
226.*************
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209.*************
212.黒髪の少女牡丹の横に立つ
215.*************
218.やせ細る母一口の氷菓食ふ
221.*************
224.*************
227.*************
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27年
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228.*************
231.*************
234.
237.
340.
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229.*************
232.*************
235.
238.
341.
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230.*************
233.*************
236.
239.
342.
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