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3.福寿草小さきものの確かなり |
1.金色の野仏おわす福寿草 |
2.貧村のモノクロ割りて福寿草 |
61回 1月16日 |
3.ふるさとにまだ母のおり女正月 |
5.ふと開く虚子の季寄せや女正月 |
3.目覚めるもまた一眠り女正月 |
62回 2月1日 |
2.すきま風猫の帰えるを知らせおり |
4.隙間風柩の上の缶ピース |
1.枕辺に白川静冬ごもり |
63回 2月16日 |
1..雪解けて泥靴並ぶ軒の下 |
5.水音のまだ深くして雪解沢 |
4.雪解けの落つる雫に時を聞く |
64回 3月1日 |
11.大仏の軽き衣や山笑う |
1.本を閉じ慌て米研ぐ日永かな |
3.豆腐屋のラッパ間延びす日永かな |
65回 3月16日 |
12.春愁や黄身のくずれし目玉焼き |
2春愁やめだかの顔に泡ひとつ |
4.かざぐるま壊れて紅き花となり |
66回 4月1日 |
5.大男小さく座り蜆汁 |
5.紫木蓮老女の帯の型崩れ |
2.進化論しるや蜆の大あくび |
67回 4月16日 |
1.開けた窓風と囀り文机 |
3.さえずりやからの荷籠に放り込む |
1.遠足や帰り忘れて今があり |
68回 5月1日 |
4.停留所ひとつ乗り越す春の昼 |
1.春昼や求人広告無人駅 |
3.春昼や円空座して臍を掻く |
69回 5月16日 |
1.借りた傘返しにゆくよ桜桃忌 |
7.手を合わすタトゥーの娘あり桜桃忌 |
1.胸元のつばさ広げる初夏かな |
70回 6月1日 |
6.ひと理屈聞いたふりしてラッキョ噛む |
6.島らっきょう噛みて潮騒聴いており |
2.辣韮剥くおんなの爪をクンと嗅ぎ |
71回 6月16日 |
2.雨粒の隙間にをりし蝸牛 |
4.夏木立じっと立ってる笠智衆 |
2.道程を銀で一筆蝸牛 |
72回 7月1日 |
7.留守番の顔つきになる古金魚 |
1.佃島長い影絵への金魚売り |
4.佇めば寂と寄りくる金魚かな |
73回 7月16日 |
1.湧水のたらいで泳ぐトマトかな |
2.夜の海月見て笑う海月かな |
3.トマトもぐふし太き母背のまろし |
74回 8月1日 |
4.炎天や村中午睡犬の糞 |
1.炎天や托鉢の鉦響きをり |
6.炎天や我が身にひとつ晒し首 |
75回 8月16日 |
1.老犬の伏して動かぬ残暑かな |
4.精勤をふと悔いてみる残暑かな |
3.黙礼に万感こもる残暑かな |
76回 9月1日 |
13.下駄鳴らし高きに登る音羽富士 |
1.登高や盃ごとの色を干す |
5.ねこじゃらしマミちゃんどうしているだろな |
77回 9月16日 |
2.リンゴ持つ幼き手にも力あり |
3.信濃路や林檎有ります寺の門 |
2.秋雨や出雲最後の登り窯 |
78回 10月1日 |
該当者無し |
該当者無し |
5.庫裡に立つ父の笑顔や今年米 |
79回 10月16日 |
該当者無し |
1.秋深し百一編のすいません |
7.秋深し人それぞれに余命あり |
80回 11月1日 |
3.玉砂利に浅い足跡七五三 |
2.風鳴りて狸の骨の細きこと |
3.喜寿よりも爺笑いたり七五三 |
81回 11月16日 |
5.少年のソプラノ澄みし寒稽古 |
1.亡き人の声に振り向き虎落笛 |
4.寒稽古坊主頭の陸蒸気 |
82回 12月1日 |
1.くさめして静けさ満てり大伽藍 |
1.父帰る遠く聞こゆる嚔かな |
5.雪女郎最後に捨てし紅の色 |
83回 12月16日 |
1.後悔を焚付けにする古暦 |
4.古暦アナタハココニずっといる |
5.古暦手を止め見いる今年かな |
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84回 1月1日〜1月15日 |
3.天窓の光り一筋初湯かな |
7.たんたんと生きるは難し手毬唄 |
4.甲斐の嶺母と越え来た手鞠かな |
85回 1月15日〜1月31日 |
14.獅子舞や金歯の奥の笑ひ顔 |
3..寒椿頬笑みかえす野辺地蔵 |
4.呆けてゆく父の窓辺や寒椿 |
86回 2月1日〜2月15日 |
4.例えれば鮫抱くような恋であり |
2.いつになく無口な父の懐手 |
8.魚類より進化の果ての懐手 |
87回 2月16日〜2月28日 |
2.長閑さや船頭一人客ひとり |
2..蕗の薹浅間の煙りと背くらべ |
3.温かろと触れて冷たきふきのとう |
88回 3月1日〜3月15日 |
4.再会の君差す傘に春の雪 |
3.雲水の素足濡らして春の雪 |
5.蝌蚪が尾をちぎりし宵の満つる月 |
89回 3月1日〜3月31日 |
15.三月やさらり流れぬ砂時計 |
7..三月の鉄橋渡るいざ東京 |
2.ふる里は蓬が門の奥にあり |
その90 |
3.ランドセルお守り揺れて風光る |
4.蒙古斑縁側座布団風光る |
3.連子窓影絵のきみの風光る |
その91 |
3.朝がすみ天に居るごと野良のひと |
3.夏近し最終バスの窓を閉め |
5.下駄箱の下駄微笑みて夏近し |
その92 |
1.暮れてなほゆれる想ひや藤あかり |
2.山寺や幟の下の苔の塚 |
.1.藤棚の朽ちたるに言うただいまと |
その93 |
2.追伸を長々書きし夕薄暑 |
3..隣家より爪切る音の薄暑かな |
5.薄暑めくくるぶし程の川遊び |
その94 |
2.戸袋にバッハを聴きし家守居り |
該当者無し |
6..毒だみや痩身の人凜と座す |
その95 |
5.対なるはそっと洗いてさくらんぼ |
2.サクランボ灰皿に種一つあり |
5.どの子にも同じ数だけさくらんぼ |
その96 |
3.闇兆す噴水はたと止みにけり |
1.噴水をただ眺めをる午後三時 |
6.河童忌や均一棚の句集買ふ |
その97 |
該当者無し |
3.山登り俗なる我を脱ぎにゆく |
6.掠れゆく飛行機雲や百日紅 |
その98 |
1.座布団の折られしままや夕涼し |
該当者無し |
該当者無し |
その99 |
3.かなかなと緩やかな坂下ろかな |
6.雨上がりかなかなそっとなき始め |
3.ひぐらしや鐘つき堂の影動く |
その100 |
該当者無し |
4.小石川後楽園に月冴える |
6.牛乳の二本並んで台風過 |
その101 |
該当者無し |
5.山紅葉最終バスの走り去る |
4.庭染めし紅葉の朝に薄茶点つ |
その102 |
1.鉄棒の錆の匂ひや草の花 |
2.ほうぼうに散りたる友や赤蜻蛉 |
5.母の恋見て見ぬふりや赤トンボ |
その103 |
3.書を売りて書を購える夜寒かな |
1.鰯雲山を枕に一休み |
7.睨まれし仁王の口へ唐辛子 |
その104 |
該当者無し |
該当者無し |
7.冬に入る日記に一語晴と記す |
その105 |
該当者無し |
7.木枯らしや露店の声の高止まり |
8.からっぽの待合室や小春空 |
その106 |
4.湯豆腐や不器用な箸遊びおり |
3.湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒 |
9.湯豆腐や寡黙さ競ふ父と子と |
その107 |
該当者無し |
5.喪の報せ傍(かた)へに置きて日向ぼこ |
該当者無し |
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その108 |
6.車窓から一瞬の冨士初仕事 |
7.メビウスの輪のうらおもて去年今年 |
1.うなされて見て見ぬふりや夢はじめ |
その109 |
4.鮟鱇の口の彼方に大落暉 |
4.仏蘭西語学ぶ背中やちゃんちゃんこ |
5.水戸っぽの訛りすさまじ鮟鱇鍋 |
その110 |
7.恩師みな根の国にあり寒昴 |
該当者無し |
2.吹く風や探梅行の道しるべ |
その111 |
該当者無し |
該当者無し |
ひとひらのうすらい揺れし午後の湖 |
その112 |
該当者無し |
1.方丈に風残りたる土筆かな |
6.色といふ色を尽くしてしゃぼん玉 |
その113 |
5.青き踏む秩父連山塩むすび |
4.髪切りて少女は凛と青き踏む |
該当者無し |
その114 |
5.西行に覚えなきかな花疲れ |
該当者無し |
7.花疲れ夜半に目覚めて風を聞く |
その115 |
7. 表札は亡き人のまま春燈し |
6.春燈や秘すこともなき暮らしもち |
10.春燈下誰も死なない物語 |
その116 |
5.一筋の川の記憶や鮎の地図 |
3.薪はぜて鮎の香りと山の音 |
1.鮎釣りや腰手ぬぐひの色あせて |
その117 |
該当者無し |
8.読経の止みて千歳の滝の音 |
4.黒柳徹子の黙る滝の前 |
その118 |
4.昼顔や朽ちゆく塀に薄化粧 |
5.昼顔やおほらかなりき母の嘘 |
1.昼顔に半目隠して刑事立つ |
その119 |
5.雲すすす夏野のへりをすべりけり |
7.月山の全きを負ふ大夏野 |
5.父なき子産んでみるかな夏野原 |
その120 |
1.ぼうふらや言い尽くしたる暇乞い |
7.ぼうふらや他人事にはかかわらず |
8.120.ぼうふらの大志聞きおり古バケツ |
その121 |
6.浴衣着て少女無口になりにけり |
8.糊香る四角四面の浴衣かな |
11.藍染の浴衣非番の巡査なり |
その122 |
3.干し蛸の日にすけ明石浜の朝 |
3.店前の女の小言蛸うだる |
7.宿酔や前頭葉に蛸遊ぶ |
その123 |
7.台風や別宅より父戻り来る |
3.台風来檻のペリカン羽ばたけり |
9..台風の島掴む樹の太く濃く |
その124 |
6.押し花の色落ち着いて休暇果つ |
8.教室に空席ひとつ休暇明け |
7.きみ子センセ小麦色して休暇明け |
その125 |
2.十六夜や水牛の櫛蘇州より |
8.十六夜の大阪で見て京で愛で |
5.十六夜や父の血を引く薬指 |
その126 |
該当者なし |
9.今頃は南瓜の夕餉母ひとり |
8.南瓜よし南瓜の如き男よし |
その127 |
該当者なし |
2..国境に内外のあり鰯雲 |
6.懐にあぶく銭あり鰯雲 |
その128 |
4.おでん酒四角三角円くなる |
該当者なし |
5.花嫁の父ひとりきりおでん酒 |
その129 |
7.陽の注ぐ廊下の椅子や十一月 |
該当者なし |
6.腹くくる十一月のしっぽかな |
その130 |
2.ユリイカと叫ぶ男の湯ざめかな |
9.切る爪の弧にこだわりて湯冷めかな |
7.またひとつ火種をかかえしゆざめかな |
その131 |
8.行く年や舫われし舟沖を向く |
9.まな板の包丁の跡年流る |
6..行く年や転がる石の音を聞く |
その132 |
8.遠来の従姉妹まぶしき絵双六 |
3.しっぼ立て双六の上ねこ渡る |
該当者なし |
その133 |
該当者なし |
10.老婆らの小さくなりて雪を掻く |
5.雪が来て今日の私は新しい |