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その204 |
12.エッシャーの階段くだり去年今年 |
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その205 |
14.還暦の青年団員寒たまご |
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その206 |
4.利休忌や薄き茶杓に載る命 |
12.利休忌や限りある身の表裏 |
10.いずこかに冷めぬ釜あり利休の忌 |
その207 |
13.凍返る鍵置く音の響く夜 |
13.凍て返る蒼天富士は屹立す |
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その208 |
5.遥かなる山脈の白下萌える |
1..下萌えの苦き緑のかくれんぼ |
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その209 |
6.蜜蜂や花簪に一休み |
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その210 |
14.姉にだけ行き先告げし花衣 |
1.花衣年を重ねる桐箪笥 |
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その211 |
1.惜春の川にひたりて竿をふる |
12.惜春や三輪車から二輪車に |
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その212 |
5.落魄を秘めて緋牡丹円かなり |
3.夕牡丹しじま眺むる遊女かな |
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その213 |
15.ひざ小僧四つ並んで苺かな |
6.悲しみも長く続かず苺喰ふ |
3.口づけを真似る少女に苺かな |
その214 |
4.祭りとてこの声もなき過疎の村 |
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その215 |
3.幼子の息確かめており熱帯夜 |
14.返信の早し短かし熱帯夜 |
2.ベッドからこぼれる脚の熱帯夜 |
その216 |
朝焼けて孤高屹立槍ヶ岳 |
14.朝焼けの風のぬるさや跨線橋 |
5..朝焼の反戦旗抱く路上かな |
その217 |
4.端居して命日ひとつやり過ごし |
6.端居して李白の月を追うてみる |
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その218 |
2. 友偲ぶ喪服のままの氷菓かな |
2.やせ細る母一口の氷菓食ふ |
13.218.黒々とうねるいらかやかき氷 |
その219 |
4.追憶の風はとろとろ走馬灯 |
11.静かなる狂気もありて走馬灯 |
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その220 |
2.月の雨月の心の溢るとき |
16.雨月夜や祖母の遺しし読書灯 |
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その221 |
14.糸瓜忌や青空一つ雲一つ |
2.海すみて遠きを想ふ子規忌かな |
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その222 |
2.敗荷や見えぬ礫に坑がわず |
17.無名とは心地良きもの破れ蓮 |
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その223 |
5.彼岸花だいっきらいと少女立つ |
12.曇天の人憎む日の曼珠沙華 |
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その224 |
13.鴨発つや光の水を駆け昇る |
14.鴨一羽逆さ富士を泳ぎをり |
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その225 |
15.冬の蠅じっと見ているテレビ欄っと見ているテレビ欄 |
13.置き去りの月日を問ふや冬の蠅 |
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その226 |
19.曖昧と模糊を飲み込む海鼠かな |
7.事もなく来世も海鼠で生くるべし |
4.上善は水の如しと海鼠居り |