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その180 |
9.嫁が君縁あるものは一つ屋根 |
4.お前だけ出て行かぬのか嫁が君 |
14.老猫の昼寝を盗み嫁が君 |
その181 |
12.大寒の牛舎の白き息息息 |
10.大寒や蒼き轍の月の色 |
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その182 |
11..縄文の息吹宿りし野焼きかな |
15.旅立つや野焼きの父に見送られ |
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その183 |
3.白魚の喉を下りぬはひふへほ |
11.白魚や具象化にほぼ間に合ひて |
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その184 |
4.淡雪と綴り書きたる父の卓 |
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その185 |
13.満帆の北前船や蜃気楼 |
1.蜃気楼だったのあたしと独りごち |
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その186 |
10.目借時歪む貸借対照表 |
12.相槌を打てど響かぬ目借時 |
12.拗ね者の身にも蛙の目借時 |
その187 |
5.束ねても一人静の白さかな |
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その188 |
2.低き空跳べば届くか雨蛙 |
1.雨蛙ひたと張付く缶コーラ |
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その189 |
7.食べて寝て働いて寝て繭の中 |
1.錆びた鍋踊る湯の中ひかる繭 |
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その190 |
2.釣堀や闇おりて来て月を釣る |
10..釣堀や魚眼の空に中央線 |
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その191 |
5.夏山に凍傷の指透かしけり |
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その192 |
2.斑猫を捕らえし猫がふりかえる |
4.会ひたさや墓の裏より道をしへ |
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その193 |
12.空蝉を取りて動けぬ小さな手 |
1.空蝉や一処無住の旅の空 |
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その194 |
18.掃除機に午睡の夢を吸われけり |
2.遠い日の母の小言に昼寝覚 |
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その195 |
13.恍惚や大夕立のまっ只中 |
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その196 |
11.桐一葉やや難ありの着地点 |
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その197 |
12..訪ねれば不在の家に金木犀 |
11..嫁ぐ日やいつもの路地の金木犀 |
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その198 |
13.老いぼれの闇深くして鉦叩き |
1.亡き人の訪い来るや鉦叩 |
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その199 |
2.水澄みて天狗も渓を覗きたり |
7.池之端水澄む底に昼の月 |
8.水澄みて沈める村に気配あり |
その200 |
14.座敷へと連なる影や干大根 |
13.若き日の捨て句束ねて冬薔薇 |
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その201 |
11.塩鮭のほどほど焼けて佳き日なり |
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その202 |
16.かじかむ手母に包まれ海渡る |
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その203 |
12. 餅搗や庭に降り立つ白き神 |
4.富士山を崩すがごとく餅を搗く |