|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その227 |
16.冬眠の洞は宇宙となりにけり |
14.転寝のまま冬眠の穴に落つ |
15.冬眠の熊夢にまた頷いて |
その228 |
14.退院の母の化粧や初の空 |
15.初御空ゆっくり分け入る観覧車 |
|
その229 |
5.蝋梅やつられてほどく懐手 |
16.蝋梅の花一輪や黒織部 |
|
その230 |
15.風花や半分嘘の恋も恋 |
3.風花や立ちこぎで行く二人乗り |
|
その231 |
3.傘持たぬ男待たせて菜種梅雨 |
3.菜種梅雨動物園の休園日 |
|
その232 |
6.春眠を噛み殺したり仁王像 |
7.春眠や背中合わせの我と猫 |
|
その233 |
13.鳥帰る高倉健という美学 |
||
その234 |
16.春塵や大道芸人宙に消ゆ |
5.春塵を払いて歩む門出かな |
|
その235 |
|||
その236 |
6.母の日や茶碗を洗う母似の手 |
15.母の日の三面鏡を磨きをり |
5.母の日や母らの声で市場満つ |
その237 |
|||
その238 |
5.将門の輪廻転生大鯰 |
6.ずぶ濡れて鯰を名乗る女かな |
|
その239 |
15.蚕豆に温もり残る置手紙 |
16.蚕豆のおかめひよつとこうりふたつ |
|
その240 |
8.風知草ひかりの重みに谷を向き |
14.ベランダに里山ひとつ風知草 |
|
その241 |
8.撫子の色見失う正午かな |
17.撫子や頬染めし癖母ゆずり |
|
その242 |
5.黙祷を尋ねる子らの原爆忌 |
17.水平の無音の市街原爆忌 |
|
その243 |
16.稲妻や砂場の隅にウルトラマン |
.3.稲妻や天地の絆切り結ぶ |
|
その244 |
1.背もたれる障子むこうに無月かな |
2.ウヰスキー氷を鳴かす無月かな |
|
その245 |
4.便り無き友の礫か梨届く |
9.汽車の夜重き荷を解き梨をむく |
6.洋梨が私のやうに置いてある |
その246 |
15.鯊釣りの糸遊ばせて隅田川 |
18.鯊釣りや離れてひとり文庫の娘 |
|
その247 |
14.ハロウィンにまぎれて試すつけ睫毛 |
8.ハロウィンや仮装のままの浅草寺 |
3.ハロウィンにまぎれて試すつけ睫毛 |
その248 |
2.茶の花や少しかがんで空を見る |
6.山畑の登り下りやお茶の花 |
|
その249 師走 |
15.神楽坂路地深くして小夜時雨 |
16.遮断機はいまだ上がらず片時雨 |
2.猫の瞳の微動だにせず小夜時雨 |
その250 |
17.葱甘く九条の空の冴え渡り |
14.薬局を過ぎて買ひたる葱の束 |