|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
その275 1月1日〜1月15日 |
15.逆さまの水鳥空を漕ぎにけり |
4.水鳥や未だ飛ばずの四十かな |
|
その276 1月16日〜1月31日 |
19.老いらくの日々は新し初笑い |
12.鳥居遠し踵返して初笑 |
2..大凶で顔を見合わせ初笑 |
その277 2月1日〜2月15日 |
11.傘立てに居残っている破魔矢かな |
16.逆光の破魔矢掲げる肩車 |
19.破魔矢受く善男善女の皺深き |
その278 2月16日〜2月18日 |
21.節分の夜空さ迷ふ鬼の群れ |
5.節分やわたしの内の鬼が泣く |
|
その279 2月16日〜2月18日 |
19.祖母の忌や甘み増したるほうれん草 |
3.ホウレン草茹でる彼女の束ね髪 |
21.菠薐草読めず頼めず酒二合 |
その280 3月1日〜3月15日 |
|||
その281 3月16日〜3月31日 |
9.春炬燵開たる窓や津軽富士 |
12.猫さえも去った我が城春炬燵 |
|
その282 4月1日〜4月16日 |
3.廃線に勿忘草のひとつ咲く |
8.断崖のわすれな草や天主堂 |
|
その283 4月16日〜4月30日 |
22.酔眼を底に沈めて蜆汁 |
18.恋だとか語りし昨夜蜆汁 |
22.昨日今日明日明後日蜆汁 |
その284 5月1日〜5月15日 |
20.柔らかき剣携え菖蒲立つ |
22.荒城の掘を固める花菖蒲 |
3.花菖蒲母が祈りし背に見えて |
その285 5月16日〜5月31日 |
23.夏場所の終わりて空の広きこと |
13.夏場所や投げにつくねの転がりぬ |
22.夏場所のテレビに集う湯屋客 |
その286 6月1日〜6月16日 |
2.針落とす開店前の青嵐 |
9.見送りて日々に戻りぬ青嵐 |
|
その287 6月16日〜6月30日 |
24.黴洗ふレコード盤に宿る音 |
23.気にかかる黴が手柄のnilon f |
|
その288 7月1日〜7月31日 |
20.ぬか床にきつめの塩や半夏生 |
22.風入れる無住の家や半夏生 |
|
その289 7月16日〜7月31日 |
6.隻眼の猫に許され木下闇 |
21.源流の苔きらめきぬ木下闇 |
|
その290 8月1日〜8月15日 |
21.冷し酒目を見て嘘をついてみる |
20.一生のある夜のひとり冷し酒 |
|
その291 8月16日〜8月31日 |
25..八月の背骨に重き光りかな |
10.八月の何も知らないぼくを知る |
16.八月の影吸ひて重き制服 |
その292 9月1日〜9月16日 |
9.霧立ちて里の夕べを紙に漉く |
18.川霧やカヌーのあとを滑り来る |
17.霧や霧抱き上げた猫また捨てる |
その293 9月16日〜9月30日 |
10.月光に徘徊の母包まれり |
10.月光の窓辺に椅子が坐ってる |
2.月光に包まれ苔になりにけり |
その294 10月1日〜10月15日 |
21.戒名なし鶏頭赤く手向けられ |
23.生かけて舞う鶏頭のフラメンコ |
|
その295 10月16日〜10月31日 |
4.行く秋や二度と開かぬバーのドア |
4.ゆく秋を星のかたちに見つけたり |
|
その296 11月1日〜11月1日 |
17..煙突の煙掻き切る大北風(おおならい) |
6.北風やディランの歩いた4番街 |
|
その297 11月2日〜11月30日 |
12.冬の夜海女は乳房を鎮めるか |
17.窓開けて冬が見えると吾子の言う |
22.稜線は金色冬の大落暉 |
その298 12月1日〜12月15日 |
4.凍土に眠るけものの濡れた鼻 |
18.凍土踏む父の享年越えて生く |
|
その299 12月16日〜12月28日 |
10.バス過ぎる乾いた街や年惜しむ |