その349 1月1日〜1月15日 22.なまはげの礼儀正しき無礼かな 8 .水ながるアフガニスタン山眠る その350 25.看取る人看取れる人冬の星 11.寒月や人に戻ろか午前二時 その351 4.水温む鼻歌交じり米を研ぐ その352 春暁や始発電車の軋む音 産声の弥生の空へ一直線 その353 春宵や舫の解けぬ屋形船 路地めぐる宝探しや沈丁花 ペテン師の似合う季節や春爛漫 その354 気がつけば隣に河童春暑し 春暑し女集うや形見分け その355 春の夜最終バスを見送りぬ 春の夜朧豆腐の舌触り その357 街路樹の影膨らみて夏来る 八丁を溶いて立夏やへ今朝の汁 二の腕の白く閃く立夏かな その358 切り通し抜けて海見ゆ 夏蜜柑
夏蜜柑これより重きものはなし 満月にかざしかさなる夏みかん その359 夏布団仰臥の母の平らなる 指二本ほどに窓開け夏布団 その359
嗚呼と鳴く「カ」は難しや鴉の子 草野球外野守備する鴉の子 その360 さくらんぼ富士のお山にひとつ置く さくたんぼ会えない日々を箱に詰め その361 甕の月割つて散り行く目高かな 廃校の池の緋目高老夫婦 緋目高の泳ぐ待受画面かな その362 草を引く忘れたきこと忘れゆく 草を取る母はまんまろだんごむし その363 水澄みて一寸法師の旅支度 水澄むや心の底を覗き見る その364 サンダルの少女去りたる白露かな(初場所、初優勝) 風の音が一音上がる白露けふ 花枯れて葉先に白露朝日差す その365 その366 秋晴れや煙となりし君の自由 秋晴やキリンの首がまた伸びる 秋晴れや真一文字の雲の糸 その367 椋鳥や丸の内線の軋む音 椋鳥を仰げば遠き故郷かな その368 埋火や歌詞を忘れた子守歌 埋火や皆深々と眠る村 埋火や銀河の果ての薄明り その369 鉄瓶の音沁みわたる夜寒かな 合い鍵をポストとに戻す夜寒かな 約束の声遠離る夜寒かな その370 枯蓮から枯蓮へ籠抜けの鳥 枯蓮や釈迦の戻りを待ちわびん その371
押入の見慣れぬ箱や年の暮れ
2020年 令和2年
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